オーストラリア国境警備隊(ABF)とニューサウスウェールズ(NSW)州警察は、違法銃器の全国的な取り締まりを実施し、1,000点超の銃器や部品を押収し、184人を逮捕した。シドニー・モーニング・ヘラルドが報じた。 昨今、シドニーで銃を使用した事件が相次いだことを受けたもの。NSW州だけでも銃器270丁、模造銃器19丁、自作の3Dプリント銃10丁、その他部品などが押収され、45人が206件の容疑で起訴された。 自作の3Dプリント部品は、輸入部品と組み合わされることで追跡不能かつ致命的な武器となり得るとして、当局は脅威の増大を警告。日本でも、安倍晋三元首相が自作ショットガンによって暗殺される事件が起きている。 銃器への関心は、主権を主張する「ソブリン・シチズン」、終末論に基づいて物資を備蓄する「プレッパー(Prepper)」、技術マニアや精神疾患患者、組織犯罪関係者など、社会のあらゆる層に広がっており、ABFは2024/25年度(6月期)に国境で8,000点超の違法銃器関連物資を摘発している。 当局は銃器設計図の入手自体が重大な犯罪であると警告。市民に対しては、教育の徹底と早期通報の重要性を呼びかけている。銃や部品の3DプリントはNSW州では最長14年の刑罰が科される可能性がある。