「変わり果てたその姿は、元紀であって元紀でない…」飲酒運転の車に90m引きずられ19歳で亡くなった息子 母親が訴える“夢の明日”

『みんなに喜んでもらえる仕事がしたいんだ。公務員になりたいんだよ』 「そう言って努力していた元紀の夢と希望、輝く未来を元紀の命とともに、全て一瞬にして奪い去りました。岩嵜元紀、19歳と3ヶ月で若い命の炎は消されてしまいました」 こう語るのは東京都の岩嵜悦子さん(75) 息子の岩嵜元紀さんは2002年1月、ミニバイクを運転していたところを悪質な飲酒運転の車に追突され、バイクごと約90m引きずられ死亡しました。 この日行われた命の授業は山梨県大月市にある猿橋中学校で行われたもので、岩嵜さんは、元紀さんが亡くなったときの話、家族や友達がそれをどう乗り越えてきたのか、そして命がいかに尊いものかを話しました。 公務員を夢見ていたという元紀さんは3兄弟の末っ子。 生まれたときはとても小さく、2週間ほど保育器の中で育ちました。 “元気で大きくなってほしい” そんな願いを込めて『元紀』という名前をつけたといいます。 その名前の通り元気に育った元紀さんは、中学、高校では部活でバスケットボールを続けたスポーツマンでした。 岩嵜さんは、元紀さんが事故に遭う2ヶ月ほど前の自身の誕生日が、忘れられない思い出の1つだと話します。 岩嵜さん: 「学校から帰ってくるなり、台所の流しの前にいた私に小さなお菓子の箱を渡していきなり説明を始めました」 元紀さん(当時): 『いやあ、今回のプレゼントはね。ずいぶん考えたんだよ』 『友達にね、お母さんの誕生日のプレゼントは何がいいか相談したんだよ。そしたら、きっと花が好きだと思うから花束がいいんじゃない?そう教えてくれたんだよ。でも花って高いんだね。とても俺の小遣いじゃ買えなくて…』 そして考えた末に用意したのはチョコレートのショートケーキ。ケーキの上には5㎝ほどのピンクのかわいい花束が飾ってあったそうです。 そして添えられたチョコレートの板には【毎日おつかれさん ありがとう ハッピーバースデー】と書いてありました。

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