パリ(CNN) フランスのマクロン大統領の妻ブリジット・マクロン氏へのオンラインハラスメントの罪で、10人が27日にパリで裁判を受けた。ブリジット氏の性別や性的指向に関して、検察が「悪意あるコメント」と主張する内容を拡散したためとされる。 この裁判の3カ月前、マクロン大統領夫妻は米デラウェア州で右派ポッドキャスターのキャンディス・オーウェンズ氏を22件の名誉毀損(きそん)で提訴した。オーウェンズ氏はブリジット氏が男性の可能性があると主張していた。 今回のフランスでの訴訟は、ブリジット氏の弁護士が2024年8月にネットいじめを訴えて提訴した訴状に関連するもの。この訴えは25年2月と3月の2度の逮捕につながった。 検察官によると、初期捜査ではブリジット氏の性別と性的指向に関する複数の主張、そしてマクロン氏との年齢差を「小児性愛」と表現する発言が確認された。裁判は2日間続くと予想されており、判決は後日言い渡される見込みだ。 裁判にかけられているのは41歳から60歳までの男8人と女2人。その中には公選職の公務員、ギャラリーオーナー、IT専門家、教師、不動産管理人、そしてビジネスオーナーが含まれている。CNN提携局のBFMTVは、被告の一人である41歳の男について、偽名を使ったソーシャルメディアへの投稿が複数の苦情の対象になっていると説明。その後停止されたアカウントはしばしば陰謀論と関連付けられているという。 前出のデラウェア州の訴訟では、オーウェンズ氏が「マクロン夫妻に対する1年間にわたる執拗(しつよう)な名誉毀損キャンペーン」を配信したとしている。 訴状によると3月、オーウェンズ氏は、「フランスのファーストレディーは男性なのか?」と題したユーチューブ動画で、ある陰謀論を再燃させていた。X(旧ツイッター)で広く宣伝されたこの陰謀論について、オーウェンズ氏は「おそらく政治史上最大のスキャンダルだろう」と述べた。 それ以来オーウェンズ氏は、自身のユーチューブの登録者約450万人に向けて、ブリジット氏に関する数多くの動画を配信してきた。