シルベスター・スタローン、自作で「最も色褪せない映画」は「ランボー」でも「ロッキー」でもなく意外な1本

シルベスター・スタローンが米GQのインタビューで、自身の代表作の中で最も色褪せない作品として1993年のSFアクション「デモリションマン」を挙げた。「ロッキー」や「ランボー」といった名作を差し置いてのこの選択は意外に思えるが、その理由は映画が描いた未来社会が「ほぼ現実に起こりそう」だからだという。 「デモリションマン」は、1996年に凶悪犯を逮捕した際、30人の人質を死なせてしまったスパルタン刑事(スタローン)が冷凍刑に処され、2032年の未来社会で解凍されるという物語だ。その未来では犯罪が消滅し、社会は過度に非暴力的になっている。脱獄した宿敵サイモン・フェニックス(ウェズリー・スナイプス)を追うため、スパルタンは時代遅れの荒々しい手法で立ち向かう。サンドラ・ブロックの映画デビュー作としても知られる作品だ。 スタローンはGQのビデオインタビューで、「ロッキー」「ランボー」「クリード」「エクスペンダブルズ」など自身の代表的な映画役について語った中で、「デモリションマン」について特別な思い入れを明かした。「社会の穏健化、すべてが従順になっている」と映画の世界観を説明し、最近ニューヨークでマルコ・ブランビヤ監督に会った際にも「本当によくできていた」と改めて称賛したという。 スタローンは1975年にモハメド・アリの試合に感動し、3日間で書き上げた「ロッキー」の脚本を自らの主演を条件に売り込み、映画化を実現させた。同作は世界的大ヒットとなり、スタローン自身もアカデミー賞で主演男優賞と脚本賞にダブルノミネートされた。その後、「ランボー」シリーズでアクションスターとしての地位を確立し、2015年の「クリード チャンプを継ぐ男」ではゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞、アカデミー助演男優賞にもノミネートされている。 そんな輝かしいキャリアを持つスタローンが「デモリションマン」を特別視する背景には、映画が描いた未来社会が現実のものとなりつつあるという認識があるようだ。なお、スタローンは現在、キャリア初となるドラマシリーズ「タルサ・キング」で主演を務めている。

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