タレントやナイトワーカーが薬物乱用で逮捕される事件は、今に始まったことではない。先日も某・有名俳優が麻薬取締法違反の罪で起訴された。 人気商売は常に闇と隣り合わせであり、華やかな世界とクスリは、切っても切れない関係にあるだろうか。 所持、または使用により全てのキャリアが崩れる恐れがあるのにもかかわらず、売買を行う人はいつの時代も消えない。はたから見ると「なぜ?」という疑問ばかりが頭に浮かぶが、彼らは常日頃から常識の外で生きるせいで、一般的な感覚を失っているのだ。 ■「いつでも手に入る環境」が感覚を狂わせる ナイトワーカーはもちろんのこと、夜遊び好きなタレントも歓楽街とは密接な関係にある。 クラブ、会員制バー、顔の広い仕切り役が催す「会合」など、数回顔を出せば人脈があっという間に作れてしまう。人とのつながりを悪い方向に活かすと、「おクスリ」に辿り着いてしまう。そのくらい都会には「世に見つかっていない売り手と買い手」が蔓延っている。 心の底から「乱用デビュー」を求めて、パーティーへ出向くケースは極めて稀。たいていは周りにすすめられるか、気軽な気持ちで手を出すなど、酒やタバコを始める流れとよく似ている。 頭を働かせ、眠気を吹っ飛ばすために業界で働くクリエーターや演者が、何らかのクスリを使う例が多い。ハイになりたいのではなく、仕事のパフォーマンス向上を目的としがちで、「右へならえ」する人はダメだと理解していながらも足を踏み入れる。いつでも手に入る環境や「やっている人もいるし」という異常な「身近感」が、きっと判断を鈍らせるのだろう。 ちなみに、一般人にも同じことが言える。派手な遊び好きのオトナや歓楽街への出入りを頻繁に行うタイプだと、薬物に対する考えが甘くなりやすい。たとえ自分自身がやっていなくても、誰かが手を出した話を度々耳にするだけで「まぁ、この街にはそういう人もいるから!」なんて、割り切った考えを持ち始める。一般社会で考えたら、あり得ない話なのに……。 売人はどんな相手でも「客」でしかなく、サラリーマンにでも平気で売りつけるのが最もコワいところ。通常の感覚を失った人々がほんの少しの好奇心や勧誘で闇へと一歩近づき、人生破綻ルートを歩む話は実際に起きているのだ。