香川県警は、今年10月に、県内の70代の女性が約3900万円の特殊詐欺の被害にあったと発表しました。 ■きっかけは1本の電話 警察によりますと、9月15日、NTTを名乗る男が女性の自宅に電話をかけ「個人情報がもれているかもしれない」などとうそを言った後、検察官を名乗る男に代わり「逮捕した犯人が、あなたから口座を買ったと供述している。共犯者になっている。疑いを晴らすため捜査に協力してください」などと話し、これ以降、安否確認の名目で、毎日連絡が入るようになり、連絡手段も電話からLINEに変わりました。 ■特殊詐欺グループの手口 詐欺グループの男は、「全財産の紙幣番号を確認して、マネー・ロンダリングに使われていないことを証明しなければならない」と話し、そのための手続きとしてネットバンクが利用できる新規の預金口座と暗号資産取引の口座を開設するよう伝え、開設する際に、マイナンバーカードの画像などを入手しました。 女性は10月6日から10日までの間、5回にわたり合計約3900万円の預金を新規口座に移し替えた後、男が女性のマイナンバーを使って暗号資産を購入し個人名義へ振込手続きを行い、資金を移転したとみられています。また、女性宛に、裁判所名の偽の現金預かり証が発行されていました。 ■女性が気付いたのは… 女性は、金融機関から情報提供を受けた警察官から聴取を受けたことで不審に思い、男から伝えられていた検察庁に直接電話をして確認を行ったところ、男の話がうそだとわかり、被害に気付いたということです。警察は資金の流れなどを調べています。 香川県警では、「捜査のための口座の開設や暗号資産を購入するよう求めることはありません」などと被害防止を呼びかけています。