1999年、名古屋市西区の自宅アパートで高羽奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された同市港区のアルバイト、安福久美子容疑者(69)が「事件で使った凶器を処分した」との趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で判明した。 愛知県警によると、アパートや安福容疑者の自宅から凶器は見つかっていない。安福容疑者は刃物を持参してアパートを訪れて、高羽さんを襲ったとみられ、県警は刃物の特定を進めている。安福容疑者は「事件の際に手にけがをした」とも供述しているが、医療機関を受診していなかったことも判明した。自身の関与の発覚を避けるため、自宅で止血などの処置をした可能性があるという。 捜査本部が置かれている県警西署では5日、事件の目撃者2人の話を基に描いた容疑者の似顔絵ポスターが撤去された。女性で、肩までの黒髪でパーマが伸びたような事件当時と今から5年ほど前の顔を予想した絵を並べたもの。2020年2月、重要未解決事件に懸賞金を支払う「捜査特別報奨金」制度の対象に指定されたことに合わせて公開された。情報提供は約1000件あり、うち約600件はこのポスターの公開後だったという。【丘絢太、塚本紘平】