【ソウル共同】韓国で飲酒運転に改めて厳しい目が向けられている。ソウルで娘と旅行中だった50代の日本人女性が泥酔状態の男の車に今月はねられ亡くなったほか、先月にもカナダ人男性が犠牲となる事故が発生。飲酒運転事故の件数が日本を大きく上回る中、被害者を追悼するとともに対策強化を求める声が高まっている。 日本人女性をはねて死なせたとして逮捕された30代男は「焼酎を3瓶空け、どう運転したのか分からない」と供述した。韓国メディアは、女性の娘が準備した「親孝行の旅」が、非道な運転で暗転したと連日報道。現場には「韓国人として申し訳ない」と書かれた手紙や花が供えられている。 韓国警察によると、2024年の飲酒運転事故は約1万1千件で、死者は138人。14年の約2万4千件、592人からは大きく減ったが、24年に2346件だった日本を大幅に上回る。 湖南大警察行政学科の文ヒョンチョル教授は「韓国は飲酒に寛大で、大企業など一部を除き、飲酒運転をしても人事上の厳しい措置がなく社会的制裁が弱い。そのため再犯率も高い」と指摘した。