【渋谷風俗史・後編】「東電OL事件」百花繚乱のイメクラ…時代を経ても変わらない「坂の上の別世界」

ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』の舞台である「八分坂」のモデルになった『しぶや百軒店』。お隣の円山町も含めた風俗の歴史を風俗ジャーナリストの生駒明氏がたどる後編だ。 ◆’90年代の渋谷のフーゾクに関する事件 百軒店は’80年代以降になると現在のような「風俗店やラブホテルなどが集まる色街」となっていく。’90年代から’00年代には、百軒店や円山町を含む道玄坂一帯は都内有数の風俗街となっていた。 この頃発生し世間の注目を集めたのが「東電OL殺人事件」である。1997年3月、東京電力に勤務する39歳の女性が円山町の木造アパートの一室で死体となって発見されたのだ。被害者のエリートOLが円山町のラブホテル街で街娼をしていたことが、人々に大きな衝撃を与えた。 続いて世の中を騒がせたのが、お笑いタレント・そのまんま東の「淫行疑惑」だ。1998年10月に渋谷のイメクラで当時16歳の少女からサービスを受けたことが報道されたのである。実は少女は年齢を詐称して働いており、そのまんま東は警察から捜査協力のために事情聴取に応じただけ。逮捕されたわけではないのだが、しばらく謹慎する羽目になってしまった。 これが政治家転身のきっかけとなり、’00年に早稲田大学に入学。その後’07年に49歳で宮崎県知事に就任するのだから、分からないものだ。 ’00年代前半までは、渋谷のマンション内ではさまざまなイメクラや性感が営業していた。そのなかにはユニークなコンセプトの店も多々あった。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加