サル・薬物・メッシュの袋、動物密売の疑いで2人を逮捕 タイ

(CNN) タイ警察は18日までに、メッシュの袋に入れられた多数のサルと覚醒剤メタンフェタミンを積んだピックアップトラックを発見し、男2人を逮捕したと発表した。これは1日で野生生物密輸の容疑者から143匹のサルが救出された2件の事件のうちの1件。 タイは野生生物の密売の国際的な拠点で、米移民税関捜査局(ICE)の推計によれば、その金額は年間78億〜100億ドル(約1兆2000億~1兆5500億円)と世界最大規模の違法取引の一つとなっている。 タイ国立公園・野生動物・植物保護局(DNP)の発表によれば、最初の事案は、カンボジア国境に近いタイ南東部クローンハットでの巡回中、レンジャーがサトウキビ畑から「異常な動物の鳴き声」を聞いたことから発覚した。 当局が捜索したところ、サトウキビ畑の中に隠されたプラスチック製のかご10個を発見。中から62匹のカニクイザルが見つかった。このサルは東南アジア原産で、人間のDNAに近いため医薬品開発で広く使われている。 国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種に指定されているカニクイザルは闇市場で活発に取引されている。 DNPによれば、サルはオス44匹、メス18匹で、青いナイロン製のメッシュ袋に閉じ込められていた。衰弱していたため、地元の野生動物保護センターに搬送された。 DNPによれば、その日の午後、隣接するアランヤプラテートを巡回していたレンジャー隊が、カンボジア国境に近い道路で、ピックアップトラックから青いメッシュの袋を降ろしている男2人を発見した。 男2人は車で逃走を図ったが、警察に逮捕された。2人はタイ国籍だった。 車内からは81匹のカニクイザル(オス30匹、メス51匹)が、やはりメッシュ袋に詰め込まれた状態で見つかったほか、メタンフェタミンも押収されたという。サルは治療のため、保護センターに搬送された。 DNPによれば、容疑者は、許可なく保護動物を所持および取引した罪や違法薬物の所持および使用に関する罪に問われている。 警察の声明によると、2件目の事件の容疑者はサルをカンボジアへ密輸するよう雇われたと供述している。 今年に入り、タイ警察はバンコクのガソリンスタンドで、かごの中に2匹のオランウータンの赤ちゃんを入れていた男を逮捕している。 昨年11月には、タイ当局が絶滅危惧種のリクガメやキツネザルなど約1000匹をミャンマーに返還していた。

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