前橋市長ホテル問題で市への電話、7割が批判 中には脅迫も

前橋市の小川晶市長が既婚の市職員男性と複数回ホテルを訪れた問題で、市に寄せられた1万件超の電話のうち3653件の要旨が毎日新聞の取材で明らかになった。この問題を巡り小川市長は25日、退職願を提出した。「辞任すべき」など批判的な意見が7割強を占め、「殺しに行く」などの脅迫も含まれていた。小川市長はすべての内容に目を通しているという。 ◇情報公開請求で判明 電話の要旨は、毎日新聞の情報公開請求に対し、市が開示。電話をかけた人の個人情報は伏せられ、日時や通話時間、市の担当者が聞き取った要旨のみが開示された。 問題が発覚した9月24日から10月31日までの間、市には無言電話を含めて1万712件の電話があった。今回、開示された3653件は、9月26日から小川市長が個人事務所にコールセンターを設置する10月10日までの2週間にかかってきた電話だった。 毎日新聞が開示された要旨を分析したところ、7割以上が「即刻辞任すべき」「前橋のイメージが悪くなる」「恥ずかしくて仕方がない」など批判的な意見。擁護は約1割で「信じている」「辞めるほどではない」など。中には「厳しい声を聞きながら職務を全うして」「反省してほしいが辞任は反対」といった意見もあった。 ◇殺害予告らしき電話も このほか、無言電話や職員への激励、「市長を殺しに行く」などの脅迫、容姿の否定、卑わいな言動があった。通話時間は「10分以内」が約8割で「10~30分」が1割強。それ以外は30分以上で、1時間以上に及ぶ電話もあった。 要旨では居住地は必ずしも確認していないが、市外からの電話は少なくとも75件あった。「東京の人」「大阪の者で前橋には縁がないが一言言わせて」「九州からかけている」など要旨に記録されていた。 これらの電話について、小川市長は11月18日の定例会見で「内容に全部目を通している。強い声もあり、誹謗(ひぼう)中傷に近いコメント、全国からの意見もたくさん届いている。大事な声はしっかりと受け止めたい」と述べた。 11月12日には、小川市長の個人事務所に「殺したくなっちゃったよ」と電話したとして市内の60代男性が脅迫容疑で逮捕され、その後、略式起訴された。小川市長は「一斉に攻撃が向かってくる社会であると率直に感じた。意見として受けとめるものと、そうではないものを見極めるのも難しい」と語った。【加藤栄】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加