ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が11月23日の週末、首都カラカスでの集会で軽快なダンスを披露した。音楽に合わせて体を揺らし、飛び跳ね、拳を回しながら、支持者に平和を訴えた。米国が軍事的・政治的な圧力を強めるなかでの平和のアピールとなっている。 マドゥロは前の週にも聴衆の前でジョン・レノンの「イマジン」を歌い、両手でピースサインを掲げながら平和と団結の象徴として自らを演出したばかりだった。マドゥロ特有の演劇的な手法で米国に「抵抗のサイン」を送っているとみられる。 米国とベネズエラの間では緊張が急速に高まっている。米国は8月下旬以降、カリブ海に艦船や戦闘機、数千人規模の兵力を展開しており、その目的を「麻薬取引の取り締まり」と説明している。ベネズエラ政府はこれを「侵略的かつ不法な行為」として否定し、マドゥロ政権の不安定化を狙う意図があると非難している。 週末の「学生の日」を記念する集会では、自身の声を使ったループ音源に合わせて踊った。「No war, no crazy war, no, no, no. Peace, peace, yes peace(戦争反対、狂った戦争反対、ノー、ノー、ノー。平和を、イエス、平和を)」を繰り返す歌詞に合わせてパフォーマンスした。