保健担当の市職員、実は「探偵」? 個人情報漏洩疑い 愛知・豊田

愛知県豊田市教育委員会事務局に勤務しながら、探偵業を兼業し、市役所の端末から入手した個人情報を顧客に漏らしたとして、愛知県警は3日、同局保健給食課の元職員で、探偵業竹内崇容疑者(43)=豊田市浄水町4丁目=を地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕し、発表した。「間違いありません」と容疑を認めているという。 捜査2課によると、竹内容疑者は同課主査だった2023年12月5日ごろ、豊田市役所の端末を操作して入手した市民1人の個人情報を探偵業の顧客1人に渡し、職務上知り得た秘密を漏らした疑いがある。個人情報は氏名や転入前の住所、転入の日付で、調査報告書に記載して顧客に交付していたという。 竹内容疑者は07年に市職員となり、19年4月から同課主査を務めた。22年11月以降、今年3月末に自己都合を理由に退職するまでの間は休職していたが、一時的に出勤していた期間があり、県警はその際に不正に端末を操作したとみている。 20年10月に親族名義で探偵事務所を立ち上げ、遅くとも21年12月以降、探偵業に従事。兼業の許可などは得ていなかった。県警は、竹内容疑者が実質的な経営者を務め、顧客は70人以上、売り上げは3千万円以上あったとみている。不正な照会が数十人分あったといい、漏洩(ろうえい)していた可能性があるとみている。 ◇ 豊田市は3日、記者会見を開き、塚田良総務部長が「元職員が逮捕された事実を重く受け止め、心からおわび申し上げます」と陳謝した。市によると、竹内容疑者は氏名や生年月日、住所、世帯員といった住民基本台帳データにアクセスする権限があったという。(松本敏博、前島慶太郎)

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