「殺すぞ」「金持ってこい」――不祥事続く東大医学部に必要なのは、ごもっともな「ガバナンス論」などではない

東京大学医学部附属病院の整形外科准教授が、医療機器の選定権限を背景に日本エム・ディ・エム(JMDM)社の元営業所長から約70万円を受領したとして、警視庁に収賄容疑で逮捕された。 11月24日、藤井輝夫・東京大学総長は「本学教員の逮捕を受けて(総長メッセージ)」というメッセージを発表した。この中で、「医学系研究科・医学部・医学部附属病院の組織体制や運営にどのような問題があるのかを明らかにし、その根本的な解決を図り、健全かつ持続可能な病院等の運営を実現します」と述べている。私は、藤井総長の意向に賛同する。この機に膿を出し切って貰いたい。 今回の逮捕劇で東大医学部および附属病院に世間の関心が集まっているが、不祥事は今回に限ったことではない。近年、臨床・研究の両分野で不祥事が相次ぎ、そのレベルの低下が懸念されている。本稿では、その実態をご紹介したい。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加