茨城県警取手署と県警捜査2課などの合同捜査班は4日、詐欺と携帯電話不正利用防止法違反(無断譲渡)の疑いで、群馬県伊勢崎市の無職の男(29)=詐欺罪で起訴=と、茨城県利根町などに住む20~22歳の男子大学生ら14人を同日までに水戸地検土浦支部に書類送致したと発表した。学生ら14人はいずれも当時、日本ウェルネススポーツ大(同町)の野球部員。男は家電量販店でたまるポイントを目的に、学生らに携帯電話の乗り換え契約を繰り返させ、獲得したポイントで購入したゲーム機などを売って利益を得ていたとみられる。同課によると、全員容疑を認めている。 書類送検容疑は、男と学生12人は2024年9月9日から同11月18日までの間、携帯電話会社に無断で、通話可能なスマートフォン77台とSIMカード231枚を有償で受け渡しした疑い。男は東京都内の家電量販店でSIMカード3枚(9900円相当)をだまし取ったとして今年7月に逮捕され、共謀の当時学生2人も書類送検されていた。 男は「携帯電話ビジネスで得られる利益を収入源として生活していた」、学生らは「契約した携帯電話を渡して現金をもらっていた」とそれぞれ供述している。 男は知人の学生を介して仲間を集めていた。学生らは都内の家電量販店で1人当たり3~10回ほどスマホの新規や乗り換え契約を行い、男から1回当たり現金1万~2万円の報酬を受け取っていた。男は合計数百万ポイントを獲得していたとみられ、購入したゲーム機や携帯電話をリサイクルショップなどに売却し、現金化していた。 同大によると、2事件を巡り取手署から24年11月ごろ、問い合わせがあり、野球部員の聞き取り調査を実施。関与を認めた部員全員を停学処分とし、野球部が加盟する首都大学野球連盟に報告した。