「質問者以外が大きな声を」「答えないからこうなってる」 斎藤元彦知事会見が紛糾、知事は質問途中で退席

「終わってない」「逃げるな、戻れよ」 斎藤元彦兵庫県知事は2025年12月3日、定例記者会見で記者が質問途中だったのにもかかわらず退席した。異例の事態に記者席から怒号が飛んだ。 ■「ご質問の趣旨があまり理解できていない」 定例記者会見は、はじめに斎藤知事が発表項目を説明し、記者側から記者クラブの幹事社、加盟社、加盟社以外の報道機関やフリーランスの記者が質問する。知事が途中退席するきっかけとなったのは、加盟社以外の質問に移り、あるフリーランスの記者とのやりとりだった。 質問の内容は、こうだ。12月の県議会に「インターネット上の誹謗中傷、差別等による人権侵害の防止に関する条例案」が提出されたことに関連し、条例案制定の理由として、2023年9月、斎藤知事と丸谷聡子明石市長との電話のやり取りが泉房穂・前明石市長によってSNSで暴露され、知事が恐れを感じたことが根底にあるのではないか――。 泉前市長が投稿した内容は、兵庫県立明石公園(明石市)内にある旧市立図書館跡地の活用方法を巡り、「斎藤知事から明石市にお詫びの電話があった」とするもの。当時、斎藤知事は定例記者会見で「あくまで知事と現役の市長との電話の内容なので、これが外部に、前市長とはいえ伝わり、それが誤った内容でSNSを通じて数十万人に拡散した形になるので、これ自体はやはり恐ろしいことであり、大変遺憾なことだと思う」と発言。その後、泉氏の投稿も削除された。 条例案では、特定の地域や人種などの属性による不当な差別について、県が削除要請や発信者への行政指導等ができるとしている。記者は、これらの経緯を踏まえ、斎藤知事は当時、主に個人間の誹謗中傷やプライバシー侵害について言及し、SNS上での誤った情報や安易な拡散、ネット上での誹謗中傷による名誉、プライバシーなどの侵害が大きな問題になっているという風に発言していたことを指摘。そして、これは「昨年の兵庫県知事選で起こったこと」であり、「斎藤知事を応援した立花孝志被告が竹内元県議についての発信を行っていたことで、今般、逮捕、起訴された内容」と述べて、今回の条例案は知事選と関係ないのか、と質問した。 斎藤知事は、 「ご質問の趣旨があまり理解できていない面もありますけど、そこは申し訳ないんですけど」 と前置きしながら「申し上げてきた通り、ネット上における誹謗中傷というものは、やはりやめるべきだ、やるべきではないということ」とこれまでと同じく一般論を述べた。

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