都市銀行として初めて経営破綻した北海道拓殖銀行で最後の頭取を務めた河谷禎昌(かわたに・さだまさ)さんが13日、呼吸器系疾患のため死去した。90歳。葬儀は家族で営む。喪主は兄泰昌(やすまさ)さん。 兵庫県出身。北海道大法学部卒業後の1957年に拓銀入行。専務、副頭取などを経て94年6月、頭取に就任。バブル崩壊などで抱えた巨額の不良債権の処理とリストラを進めたが、株価下落と預金流出は止まらず、97年11月に都銀として初の経営破綻を発表した。 預金量は5兆9000億円、公表不良債権は9350億円で、「日本金融史上最大」の破綻だった。金融不安が拡大し、銀行への公的資金投入と業界再編が進んだ。 回収見込みがない企業に巨額の融資をしたとして、前任頭取の山内宏氏(故人)とともに99年、商法の特別背任容疑で逮捕された。1審無罪の後、逆転で2009年11月に実刑判決が確定し、1年7カ月服役した。