米政権、ICC判事2人に制裁 イスラエルへの捜査巡り圧力強化

Humeyra Pamuk Stephanie van den Berg Bhargav Acharya [ワシントン/ハーグ 18日 ロイター] – トランプ米政権は18日、イスラエルに対する国際刑事裁判所(ICC)の捜査に関与したとして新たにICCの判事2人に制裁を科した。米政権はこれまでもICCがイスラエル要人に対する訴追を取り下げない場合はICC全体を制裁対象に指定する可能性があると警告しており、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡るICCの対応に一段と圧力を強める形となった。 ルビオ国務長官は声明で「ICCはイスラエルを標的にした政治的な行動を続けており、全ての国家に危険な前例になり得る。米国とイスラエルの主権を侵害し、両国の国民を不当に管轄下に置こうとするICCの権限乱用を容認しない」と表明。今回新たに制裁を科したジョージア出身の判事とモンゴル出身の判事について、「イスラエルの同意なしにイスラエル国民を捜査、逮捕、拘束、訴追するICCの取り組みに直接関与した」とした。 ICCは声明で強い遺憾の意を表明。「こうした制裁措置は公正な司法機関としての独立性に対する重大な攻撃にあたる」とし、国際的な法秩序が危険にさらされていると警告した。 ICCは世界で唯一の常設の戦争犯罪裁判所で、2024年11月にイスラエルのネタニヤフ首相とガラント前国防相に対し、ガザ地区での戦闘を巡る戦争犯罪と人道に対する罪の疑いで逮捕状を発行した。 ICCには欧州連合(EU)加盟国を含む125カ国が加盟。パレスチナ自治区も2015年に加盟が承認された。ただ、中国、ロシア、米国など主要国のほか、イスラエルは加盟していない。 トランプ政権は今回の制裁に先立ち、すでに9人のICC判事と検察官に制裁を科している。

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