犯人が咄嗟に“便乗”したか、「免許証を失くした」と伝えると「実はその免許証⋯」 警察を名乗る男からの電話で20代男性が232万円の詐欺被害

“千葉県警”を名乗る男からの「出頭できますか?」「あなたに疑いがかかっている」などという電話をきっかけに、20代の男性が232万円をだまし取られていたことがわかりました。 高知県警の調べによりますと、12月5日、南国市の20代の男性に「090」で始まる番号から電話がありました。電話の相手は“千葉県警”を名乗る男で、男性は「出頭できますか?」「あなたに疑いがかかっている」などと言わたということです。 男性が「心当たりがない」ということを伝えると、“特別対策室の警察官”を名乗る男に電話が代わり、男性はコミュニケーションアプリを追加するよう指示され、スマートフォンにアプリを追加しました。 そのアプリの中でやり取りをする中で、男性は相手に「免許証を失くした」ことを伝えてしまったといいます。すると“特別対策室の警察官”を名乗る男は「実は、あなたの免許証が犯人の家から見つかっています。その免許証を使ってキャッシュカードを作られていて、そのカードを利用して多数の被害者から多額のお金を巻き上げています」などと話したということです。 そして相手からは“逮捕状のような写真”が送られてきたということです。 その後、男性は「あなたの口座の金の出し入れに不審なやりとりがないか、調査する必要があります」「捜査に協力してくれなければ、あなたに罪がかかって、職場への復帰が難しくなる」などと言われ、相手が指定する個人口座に5回にわたって232万円をATMから振り込み、だまし取られました。 被害に遭った男性は、相手との電話の流れの中で「免許証を失くした」と話してしまったといい、警察は「犯人側が咄嗟にアドリブを効かせ、男性が免許証を紛失したことに便乗した」とみています。 高知県内では2025年、特殊詐欺による被害が108件発生していて、被害額は約4億9872万円にのぼっています。(前年同期比:+55件+約2億9993万円) 高知県警は、「警察官がコミュニケーションアプリを介して連絡をしたり、お金の送金を要求したりすることはない」としていて、特殊詐欺の電話が国際電話であることが多いことから、「固定電話は国際電話利用休止の申し込みをして、携帯電話にはセキュリティアプリを導入するなどして、怪しい電話に出ない対策を取ってほしい」などと注意を呼びかけています。

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