正体不明の芸術家バンクシーが、3カ月ぶりの新作壁画をロンドンに描いた。本人の公式インスタグラムに22日、作品の写真が投稿された。2人の子供が寝転がり、うち1人が上を指さしている絵柄。クリスマス直前であることなどから、英BBC放送は「子供のホームレス問題に対するメッセージでは」との愛好家らの見方を伝えた。 新作が描かれたのは、ロンドン西部ベイズウオーター地区の住宅街にある、ガレージの列に隣接する空き家の外壁。22日夕方に記者が駆けつけると、ニット帽に冬服、長靴を身に着けた子供2人のモノクロ画があった。周辺では通行人らがスマートフォンで写真を撮っていた。 そこから東に約4キロのビルの前にも同じ絵柄の壁画が現れた。こちらは19日に描かれたとされ、同様にバンクシーの作品とみられている。バンクシーは作画の場所や意図を明らかにしていない。 バンクシーの新作は、9月にロンドンの王立裁判所に描かれた、裁判官がデモの参加者を木づちで殴っているような壁画以来。 当時は親パレスチナ団体に活動禁止命令が出されたことへの抗議デモが起き、多くの参加者が逮捕されていた時期で、そうした状況を風刺したとみられている。その壁画は当局によってすぐに消された。【ロンドン福永方人】