【音声公開】ニセ警察官vs本物の警察官「これ事件捜査になりますから…」特殊詐欺“巧妙手口”の全貌

後を絶たない特殊詐欺被害。2025年の高知県内の被害額は約5億円にのぼっています。このうち7割が警察官を名乗り言葉巧みに金銭をだまし取る詐欺でした。 2025年10月にニセ警察官が電話をかけたのはあろうことに高知県警の本物の警察官でした。 ニセ警察官: 「大阪府警の●●です」 本物の警察官: 「大阪府警の○○さん、お世話になります」 実はこれ2025年10月に特殊詐欺の犯人から実際にかかってきた電話の音声。大阪府警・捜査二課の警察官を名乗る男の電話を受けたのは、高知県警の本物の警察官でした。ニセ警察官からの電話はこれが2回目で、本物の警察官は情報を引き出すため身分を隠して話を聞きます。 ニセ警察官: 「○○さんの名義で作られている銀行口座がこの事件の中で実際に使用されていることから、○○さんに2つほど捜査を行います」 本物の警察官: 「調査?」 ニセ警察官: 「まず一つ目はですね、さきほど申し上げた信号検査。犯行グループと○○さんのお使いの携帯電話の間に過去に通信記録などがあるかどうかですね」 ニセ警察官はある資金洗浄に口座が使われていると話し、通信記録を調べるためSNSアプリのダウンロードを指示しますが拒否すると… ニセ警察官: 「これ事件捜査になりますからやりたいやりたくないという感情で捜査の方針を私として曲げるわけにはいかないんですね」 本物の警察官: 「なるほど…」 ニセ警察官: 「一刻も早くですねこの資金洗浄事件の中で奪われたお金、被害に遭われた方々にお金の最終的な着地点、現在どこにあるのか取り返すのが我々の使命ですから」 本物の警察官は情報を聞き出そうとこんな質問を。 本物の警察官: 「強制捜査というとちなみになんですか?捕まえにくるということですか」 ニセ警察官: 「担当検事の判断になりますが、まず一番最初に考えられるのは○○さん名義で作られている同一名義すべての銀行口座の凍結差し押さえ。その上での銀行口座、金融機関など全てで強制的にお調べすることになる。関係関与があるという裏付けがとれた場合に○○さん自身が逃走の恐れや証拠隠滅の恐れがあるとみなされた場合に、逮捕令状が請求され行使されることも可能性はある」 本物の警察官が「知り合いの警察官に相談したい」と言うとー ニセ警察官: 「大阪府警本部が今回の捜査を行っていますから、例えば高知県の県内の警察署、こういったところと捜査連携をとっておりませんので…」 本物の警察官: 「でもやっぱり一回近場の警察署にも言ってみようと思いますけど、よろしいでしょうか」 ニセ警察官: 「うん、こちらですね、大阪府警が今回捜査をしています。高知県の警察官、一切今回の捜査について共有しておりませんから一切何も知りません」 最終的に本物の警察官が事件の冤罪を主張すると、ニセ警察官に「判断は検事が行うので連絡を待つように」と言われ電話が切れました。 高知県内で2025年発生した特殊詐欺は110件と過去最多で、このうち警察官をかたる詐欺が39件と3割以上を占めています。 警察官がSNSなどのコミュニケーションアプリで連絡したり送金を要求することはありません。警察官・検事などをかたる者から「逮捕状が出ている」と言われた場合は電話を切って♯9110まで相談してください。 県警は国際電話利用休止の申し込みや、スマホで不審電話をブロックするセキュリティアプリのダウンロードなど、「犯人からの電話を拒否すること」が大切だと呼びかけています。

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