立花孝志党首のデマを否定した兵庫県警前本部長が処分受け辞職 今後は政治家転身? ユーチューバーの顔も

警察庁は12月24日、兵庫県警の前本部長・村井紀之氏(58)を警察庁長官注意の処分とした。村井氏は、同日付で辞職した。また、兵庫県警は現職署長の警視(60)を警務部長訓戒の処分にした。 村井氏は、兵庫県警の本部長時代、神戸市内の焼き肉店で、経営者であるA氏から高級な日本酒やウイスキーを無償で提供されていたという。また、署長は酒の提供を受けたほか、約2万円のタクシー代も受け取っていたという。このA氏は、県警本部の食堂の運営や駐車違反監視業務を請け負っていて、利害関係者にあると判断された。 警察庁関係者によると、村井氏は警察内部の調査に対し、2023年12月と24年3月に焼き肉店にいったことは認めて、 「誘われて2回行き、いずれも送別会で、会費も払った。上等な酒が出てきたのは事実だが、接待などという意識はまったくなかった。県警本部の食堂などの委託業者ということも知らなかった」 などと説明しているという。 県警関係者からは、村井氏よりも、処分された署長を非難する声が多く聞かれる。 「村井氏はキャリアなのでA氏が県警の仕事をしていることなど地元のことに詳しくなかったのではないか。でも、署長は絶対知っていたはず。村井氏はせっかく県警で名を轟かせたのに……」(県警の現職警官B氏) 村井氏の名が一躍知られるようになったのは、今年1月の県議会での発言だった。 兵庫県の斎藤元彦知事に対する内部告発をきっかけに斎藤氏を追及していた元県議の竹内英明氏が、「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告にデマを拡散され、SNSなどで誹謗中傷された後に自殺した。このとき立花被告は、 「竹内さんは明日、逮捕される予定だった」 などと発言する動画をSNSに投稿したのだが、これに対して村井氏は、1月20日の県議会警察常任委員会で、 「全くの事実無根」 と、きっぱり否定する異例の発言をし、「明白な虚偽がSNSで拡散され、極めて遺憾」とも述べた。 竹内氏の妻が立花被告を刑事告訴する際にはこの発言を引用し、立花被告が名誉棄損で起訴される大きなポイントになったとみられている。 また、兵庫県警の公式Xのアカウントが1月22日に、 〈【SNSを利用の皆様へ 兵庫県警察本部】確たる証拠がないのに、推測・憶測で人を傷つけるような書き込みをするのはやめましょう〉 と投稿したことで、さらに村井氏の名は広がった。 村井氏は3月31日付で中国四国管区警察局長に異動。その後、辞職の意向を示し、いったんは辞表が受理されたが、この問題の調査のために凍結され、9月に官房付となっていた。

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