26日午後4時半ごろ、静岡県三島市南二日町にある横浜ゴム三島工場から「何者かに刃物で5、6人が刺された。スプレーと液体をまいた」と119番があった。 富士山南東消防本部三島消防署によると、15人が負傷しており、うち6人は重傷の可能性があるという。県警は自称三島市中、職業不詳の小山雅貴容疑者(38)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。捜査関係者によると工場関係者との情報もあり、県警は詳しい状況を調べている。 現場は東海道新幹線三島駅から南東に約2キロ。横浜ゴムは1917年創立の国内大手タイヤ・ゴムメーカー。同社のホームページなどによると、三島工場の従業員は2024年12月時点で987人。主に乗用車用やライトトラック用タイヤを生産している。勤務は2交代制で、事件が起きたのは昼の勤務が終わった頃とみられる。 近くで商店を営む60代の女性は、午後4時半過ぎからパトカーや救急車が何台も工場内に入っていく様子を見て、客と「何があったのか」と話題にしていたという。その後も警察や消防の車両が出入りし、周囲に規制線が張られるなど物々しい雰囲気に包まれたと証言する。事件があったことは知人からのメールで知った。「工場の敷地から出てくる従業員の人はいつもと変わらない落ち着いた様子で歩いていたので、事件と聞いて驚いた。トラブルがあったのか分からないが、容疑者が捕まってよかった」と話した。【藤渕志保、金森崇之、三浦研吾】