兵庫県警須磨署は1日、神戸市須磨区に住む無職男性(79)が、警視庁の警察官をかたる男らに「マネーロンダリング(資金洗浄)の疑いを晴らす」と信じ込まされて送金した現金で、認識しないまま購入していた金塊を詐取されるなど、計約7200万円相当の金品をだまし取られる被害に遭ったと発表した。同署は詐欺事件として調べている。 同署によると昨年11月28日午後1時ごろ、男性宅にNTT社員を名乗る男から電話があり、「午後2時になると電話がつながらなくなる。詳しいことは警視庁新宿署に確認してください」と電話番号を告げられた。 男性は言われるがまま、番号に電話すると、「ヤマダ」と名乗る男性警察官を装った男から「詐欺事件で逮捕した男が、1億数千万円の被害金のうち1千万円をあなたの口座に振り込んだ、と言っている」と伝えられた。 新宿署を訪ねるよう打診された男性が断ると、男は「通話で取り調べる」とし、LINEでの通話をもちかけたが、男性はスマートフォンを持っていなかった。すると、男は「秘密捜査のため顔を合わせられない」と言って、自宅近くの植え込みに封筒を置いたと説明。男性は植え込みで封筒を見つけて、中に入っていたスマホと充電器を回収した。 男はそのスマホを使って男性に連絡を重ね、「マネーロンダリングの疑いがある。あなた名義の口座を調査するので一度、指定する口座に金を全て移す必要がある」などと指示した。 男性は自分への疑いを晴らそうと、指定された口座に12月6日と同15日の2回、合計約7千万円を送金。送金を受け、男は「秘密書類を近くの郵便局に届けるので、植え込みに置いてほしい」と言い、男性は郵便局で荷物を受け取り、植え込みに置く作業を繰り返した。現金100万円を封筒に入れ、植え込みに2回置いて手渡した。 署の調べでは、約7千万円の送金先は、インターネットで金を売買する実在する会社だった。男が「秘密書類」と偽った荷物は金塊が入っていたとみられ、男性は自覚しないままネットで取引する形で金塊を購入させられ、詐欺グループにだまし取られたとみられる。男性は現金を預けていた証券会社の社員から指摘を受け、被害に気付いたという。