米トランプ政権は7日、66の国際機関から脱退すると発表した。海事関係ではマラッカ・シンガポール海峡の海賊問題などに対処するアジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)が含まれている。ReCAAPでは、情報共有センター(ISC)を通じ容疑者の逮捕などに関して締約国間で情報共有している。ただ、仮に米国が脱退してもReCAAPの運営に関する影響は限定的との見方がある。 「活動範囲が不必要で、管理が行き届いていない。わが国の目的に反する独自政策を推進する勢力の利益に支配されている」 マルコ・ルビオ米国務長官は7日付の声明でこう指摘し、66の国際機関からの脱退の意向を発表した。 米国務省のホームページによると、脱退する66の国際的な機関・枠組みには、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)や国連人口基金などが含まれている。 海事関係では、ReCAAPが該当。ReCAAPは2001年に日本政府が主導し06年に発効となった。25年11月時点で締約国は米国も含め21カ国に上る。 ReCAAPではシンガポールのISCを通じ、容疑者の逮捕、容疑船の拿捕(だほ)、被害者の救助要請などに関して、情報共有や協力体制を構築。ISCを経由しない締約国同士の2国間協力も促進している。 ReCAAPからの米国の脱退の影響について、海洋安全保障の専門家である獨協大の竹田いさみ名誉教授は、「実際に過去にシンガポール(ISC)も訪問したことがあるが、ReCAAPは日本とシンガポールが中心に運営しており、米国の存在感はそう大きくはない印象だ。脱退による拠出金の有無などは気掛かりだが、運営面については米国が抜けることで一気に瓦解(がかい)するようなことはないだろう」とし、影響は限定的との見方を示した。 ■IMO記載なし 一方で、66の機関・枠組みのリストの中にIMO(国際海事機関)は含まれていない。 米国は昨年11月のIMO第34回総会で、日本や中国、ギリシャ、イタリア、リベリア、ノルウェー、パナマ、韓国、英国などと共にカテゴリーA(主要海運国)の理事国に選ばれている。 「IMOは海運のルールメーキングをする場所であり、(米国向けの)ルールを作りたいのであれば、残るのではないか」(竹田氏)との見方もある。