社長襲撃の前後に着替えか 東京・大森マンション殺人の容疑者

東京都大田区のマンション一室で住人の音響設備会社社長、河嶋明宏さん(44)の遺体が見つかった事件で、警視庁捜査1課は9日夜、河嶋さんの会社の営業部長を務める山中正裕容疑者(45)=大田区中央8=を殺人容疑で逮捕した。山中容疑者は、逮捕前の任意聴取に河嶋さんを襲ったことを認め、「上司としての態度に不満があった」と話したという。 捜査関係者によると、山中容疑者は、河嶋さんの態度が「高圧的だった」と説明。それは「自分にだけでなく、ほかの全ての従業員に対して」だったと話している。ただ従業員に対する捜査では、そうした話は確認されていないという。 逮捕容疑は7日午後6時40分~8日午前11時半ごろ、大田区大森北2のマンションで、河嶋さんの首などを刃物で刺して殺したとしている。「刺したことは間違いないが、殺すつもりはなかった」と供述している。 警視庁によると、山中容疑者は7日夜にマンションを訪問し、その後に帰ってきた河嶋さんから室内に招き入れられ、口論になったと説明。「態度について意見を言ったらもみ合いになった。玄関にあった殺虫スプレーを吹きかけ、ひるんだところを持ってきた刃物で首や太ももを刺した」と供述しているという。 河嶋さんは8日午前、玄関や窓が全て施錠された自室で亡くなっているのが見つかった。山中容疑者は「事件の発覚を遅らせるために、鍵をかけて逃げた」とも話している。 河嶋さんは首や腹など10カ所以上を刺されていた。山中容疑者が持参したのは果物ナイフのような刃物で、供述に基づいて警視庁が捜索すると、大田区内のゴミ捨て場で見つかった。 そこには血がついたタオルやジャージーの上下、スニーカーも捨てられていた。防犯カメラの映像や供述から、山中容疑者はマンションを訪れた際に服を着替え、事件後に元の服装に戻って外に出たとみられる。 刃物や着替えを用意していたことから、警視庁は、山中容疑者が当初から河嶋さんを襲うつもりで訪問した可能性があるとみて、経緯を調べている。 山中容疑者は事件発覚の翌9日早朝、自宅を出てJR東京駅にいたところで捜査員に任意同行を求められた。新幹線の券売機に向かっていたといい、「思うところがあって遠くへ行こうと思った」と説明したという。【朝比奈由佳、松本ゆう雅、菅健吾】

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