大麻取締法違反の罪に問われた男性被告(26)の判決で、大阪地裁の角田康洋裁判官は10日、無罪(求刑懲役1年)を言い渡した。警察官の職務質問での男性の対応が「威圧的な追及」によるものとし、自白調書の信用性も否定した。 男性は昨年4月、液体大麻を持っていたとして逮捕・起訴され、同法上の大麻に分類されない「違法性のない大麻成分のものという認識だった」と無罪を主張した。 検察側はパトカー内の職務質問の様子から「違法性の認識を推認できる」と主張したが、角田裁判官はドライブレコーダーに残る音声から、警察官が「徹底的にいくで」「正直に言いな」と追及し続けたと指摘。そうした「威圧的な言動」によって男性が場当たり的な対応をしたにすぎない疑いがあるとした。 その後の検察官の取り調べで作られた調書では「故意」を認めたことになっているが、「故意を推認するには合理的な疑いが残る」と結論づけた。(大滝哲彰)