米英両国、カタールの軍事基地から一部人員を退去 「予備的警戒措置」と当局

イラン当局が反政府抗議行動を弾圧していることをめぐって、アメリカのドナルド・トランプ大統領がイランに対する行動を検討するなか、アメリカとイギリスが、カタールのアル・ウデイド空軍基地に駐留する人員を減らしている。 アル・ウデイドは中東最大の米軍基地で、軍関係者約1万人と英国人スタッフ約100人が駐留している。今回、何人が退去するかは明らかではない。 BBCが提携する米CBSによると、米軍の一部退去について、当局は「予備的警戒措置」だと説明した。 カタール政府は声明で、アメリカが取っているとされる措置について、「地域における現在の緊張への対応」だとした。 カタールの首都ドーハの米大使館は、自国の関係者らに対し、警戒を強め、アル・ウデイド空軍基地への不必要な移動は控えるよう勧告している。 サウジアラビアの米大使館も、職員と自国民に対し、「警戒を強め、この地域の軍事施設への不要不急の移動を控える」よう勧告している。 BBCの取材では、英軍もカタールのアル・ウデイド空軍基地から一部を退去させているとみられる。 英軍の退去に関しては、「作戦上の安全のため」とする報道が出ている。英国防省の報道官は、これについてコメントしないとした。 英外務省は、イランの首都テヘランの英大使館を一時閉鎖している。政府報道官によると、今後は遠隔操作で運営されるという。 イタリアとポーランドも、イランにいる自国民に出国を促している。ドイツは航空各社に対し、「紛争の激化と対空兵器」による潜在リスクを理由に、テヘラン空域に入らないよう勧告している。 米連邦航空局のウェブサイトによると、イランは現地時間15日午前2時45分から、領空をほぼすべての航空機に対して閉鎖した。 ロイター通信によると、閉鎖は当初2時間の予定だったが、その後、午前8時まで延長された。 これを受け、いくつかの航空会社は航路を変更すると発表している。 ■「経過を注視」とトランプ氏 複数の人権団体は、イランではこのところの当局による暴力的な弾圧で、反政府デモ参加者2400人以上が殺害されたとしている。 トランプ氏は今週になって、イラン当局が抗議者らを処刑すれば、アメリカはイランに対して「非常に強力な行動」を起こすと警告している。 これに対しイランは、アメリカに攻撃されれば報復するとしている。 トランプ氏は14日、「確かな筋」からの情報として、「イランでの殺害は止まっており、処刑の計画もない」と聞いていると述べた。 軍事行動は選択肢から外れたのかと問われると、トランプ氏は、「経過を注視する」と答えた。 ■「米国は同じ過ちするな」とイラン外相 イランのアッバス・アラグチ外相は14日、米FOXニュースの取材で、トランプ氏に対し、「6月にやったのと同じ過ちを繰り返してはならない」と警告した。そのうえで、「失敗に終わったことを試すなら、同じ結果になる」とした。アメリカは昨年6月、イスラエルとの戦闘が続いていたイラン国内3カ所の核施設を空爆。核施設の破壊のみが目的で、「体制転換の取り組みは計画していない」と事前にイラン側に伝えていたとされる。 アラグチ氏はまた、イランで抗議行動に絡んで拘束された男性(26)が死刑判決を受けたと、男性の家族が話していると報じられていることについて、「絞首刑は問題外だ」として、「今日も明日も絞首刑はない」と述べた。 イラン政府はアメリカを、「軍事介入の口実を作ろうとしている」と非難している。議会議長は、アメリカがイランを攻撃すれば、この地域のイスラエルとアメリカの軍事・海運施設が、イランによる合法的な攻撃の対象になると警告した。 イランでの今回の抗議行動は、通貨リアルの暴落と生活費の高騰を受けて昨年末に始まった。すぐに政治的変革を求める動きに拡大し、1979年のイスラム革命以来最も深刻な、宗教指導者による体制への反対行動となっている。 米拠点の「人権活動家通信(HRANA)」は、インターネットが遮断されているなか、これまでに抗議者2403人と子ども12人の殺害を確認したと発表した。この騒乱で逮捕された抗議者は1万8434人以上になっているとしている。 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は、「検証された映像とイランの目撃者からの信頼できる情報」をもとに、「不法な集団殺害が前例のない規模で」あったとしている。 (英語記事 US and UK pulling some personnel from Qatar military base)

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