世界的なビジネス誌・Forbes日本版で、2025年「ソーシャルR&Dを実装するNPO50」に選出されたある団体に注目が集まっている。「ソーシャルR&Dを実装するNPO」とは、Forbesによる「研究開発によって難しい社会課題の解決手法を見いだしたNPO」という意味の造語だ。 東京に本部を置くNPO法人「アクセプト・インターナショナル」(以下、アクセプト)。世界各地でテロや武力紛争の根絶に挑む、日本発の国際NGO(非政府組織)だ。 これまでソマリア、イエメン、パレスチナなど紛争の最前線で活動を展開してきた。テロ組織の投降兵や逮捕された戦闘員といった、国際社会が排除の対象としてきた若者たちを受け入れ、『脱過激化・社会復帰支援』を続けている。スタッフはボランティアを含め国の内外に約80人、予算規模は数億円と決して大きな組織ではないものの、これまでにテロリストや戦闘員550人以上の投降を実現し、3000人近くの社会復帰をサポートしている。 最近では、2025年に実施したパレスチナ問題をめぐる取り組みが話題となった。パレスチナ自治区・ガザ地区出身の若者や自治区の主要政党の若手メンバーらに対話を呼びかけ、長期的な和平実現を目標とした会合を主催。パレスチナの和平実現に向けた宣言文と行動計画を採択し、「現代史上最も深刻な人道的大惨事の一つに、沈黙せず責任を果たしてほしい」と国際社会に訴えた。 (アクセプト・インターナショナル 永井陽右 代表理事) 「パレスチナの和平交渉の枠組みは非常に凝り固まっており、いつも同じような大人がしゃべっている現状があるので、市民の声や若きリーダーたちの声を構造的に拾い上げる場を作っています。以前、紛争当事者とされているあるパレスチナ政党のシニアリーダーから『お前を信じてみようと思う』というような言われ方をしました。ユダヤ教でもない、イスラム教でもない、キリスト教でもない。日本の組織だからこそできることがあると思っています」 日本の小さな民間組織が、なぜ紛争の最前線に向かうのか? 命を奪い合う極限の現場で何を見て、今、社会に何を問いかけているのか?