韓国・前首相判決で「非常戒厳は内乱」と初の司法判断…尹錫悦前大統領の裁判に波及必至

【01月22日 KOREA WAVE】ソウル中央地裁が21日、内乱重要任務従事などの罪で起訴されたハン・ドクス(韓悳洙)前首相に懲役23年を言い渡した。判決理由で地裁は、2024年12月にユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領(当時)が宣言した非常戒厳を明確に「内乱」と規定し、強く批判した。ユン・ソンニョル氏は「非常戒厳は大統領の権限で、警告的・啓蒙的性格にすぎない」と主張してきただけに、ユン氏にとっては法的な打撃となった。この判断は、来月19日に予定されるユン・ソンニョル氏の内乱首謀罪の判決への影響が避けられない。 判決は、ユン・ソンニョル氏やキム・ヨンヒョン(金龍顕)国防相(当時)らが非常戒厳を宣言し、これに基づく布告令を発した点に言及。布告令は、憲法と法律が定めた手続きを踏まず、議会制民主主義や令状主義を消滅させ、憲法が禁じる言論・出版への許可や検閲を実施する内容で、憲法と法の機能を失わせる目的、すなわち「国憲を紊乱する目的」に基づくものだと指摘した。 さらに、多数の軍兵力と警察官を動員し、国会や中央選挙管理委員会を占拠・出入統制するなど、集団で威力を示し危害を告知して社会の平穏を害する程度の暴動を生じさせたと認定。「非常戒厳の宣言と、これに基づく違憲・違法な布告令の発出、軍・警の動員による国会や選管の占拠・統制は、刑法87条が定める内乱行為に該当する」と結論付けた。 地裁は判決全体を通じ、非常戒厳を一貫して「12・3内乱」と呼称し、ハン・ドクス前首相がこの内乱に加担した点を厳しく非難した。12・3内乱を「上からの内乱」「親衛クーデター」と位置付け、選挙で選ばれた権力者が憲法と法を軽視し、民主主義と法治主義への国民の信頼を根底から揺るがす点で、「下からの内乱」より危険性が大きいと述べた。 ユン・ソンニョル前大統領はこれまで、非常戒厳は憲法に基づく大統領固有の権限で、啓蒙的・警告的な性格だと主張してきた。しかし、今回の判断は、そうした主張を正面から退けた格好だ。別の裁判体が審理するとはいえ、同一事案について相反する法的評価を示すことは容易ではないというのが法曹界の大勢だ。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加