東京大は28日、共同研究相手の民間業者から高額接待を繰り返し受けたとして収賄容疑で逮捕された東大大学院医学系研究科教授、佐藤伸一容疑者(62)を懲戒解雇したと発表した。佐藤容疑者が皮膚科長を務めていた東大病院の田中栄院長は引責辞任した。 同日に記者会見した藤井輝夫学長は「不適切な行為に早期に気づけず、本学全体のガバナンス(統治)に問題があった」と陳謝した。藤井学長と理事3人は役員報酬の一部を自主返納した。医学系研究科長は訓告の処分とした。 外部調査を担当した弁護士によると、佐藤容疑者は31件の接待への参加を認めた。性風俗店での接待が少なくとも6件あった。「仲間づきあいだった」「学術的な話をしていた」などと話しているという。 研究は結果的に商品の宣伝に利用され、共同研究相手の日本化粧品協会から研究費の支払いが滞るなどの問題も起こっていた。藤井学長は「チェックが甘かったと言わざるを得ない」と述べ、4月から全学のリスクを把握する担当責任者を置くなど、統治体制を強化する方針を示した。 また、東大が外部資金を得ている講座で類似事案がないか2025年に調査をしたところ、接待を受けるなど倫理規定に抵触する事案が22件あった。19件は1万円未満だったが、3件は高額接待で、懲戒処分に向けた手続きを始めているという。 警視庁は24日、大麻成分の有効性に関する共同研究に絡んで日本化粧品協会の代表理事から接待を繰り返し受けたとして、佐藤容疑者を収賄容疑で逮捕。26日には共に接待を受けたとされる元特任准教授の男性医師(46)を書類送検した。【信田真由美】