【オーストラリア】〔政治スポットライト〕イスラエル大統領来豪、シドニーでデモも

イスラエルのヘルツォグ大統領によるオーストラリア訪問が波紋を広げている。シドニーなどで大規模な抗議活動が相次ぎ、警察との衝突も発生した。労働党のアルバニージー首相は一部野党の批判に対し、「ヘルツォグ氏の訪問は、支援と連帯の表明だ」と明言し、冷静な議論を呼びかけた。 ヘルツォグ氏は訪問初日の9日、昨年12月にボンダイビーチで発生したテロ事件の現場を訪れ、犠牲者を追悼した。反ユダヤ主義の台頭は世界的な緊急課題だと強調した上で、「オーストラリアを含む各国で反ユダヤ的事件が増加していたことを以前から警告していた」と語り、連邦政府の対応が後手に回ったことへの遺憾の意も示した。 同日の夜にはシドニー市内でのレセプションに出席し、「今回の訪問は連帯のためだ」とあらためて強調。イベントにはモリソン前首相、ダットン前自由党党首、フライデンバーグ前財務相や、ニューサウスウェールズ州のミンズ州首相らが参加した。 一方、親パレスチナ派による大規模な抗議デモがシドニー市内で発生。警察と衝突し、催涙スプレーが使用されるなどの混乱が生じ、27人が逮捕された。 また、国内のユダヤ人団体も分裂しており、進歩系団体はヘルツォグ氏の訪問に反対している。地元紙に公開書簡を掲載し、「戦争犯罪者を招くことは、ユダヤ人社会や人権を裏切るもの」と訴えた。 野党緑の党(グリーンズ)は「イスラエル大統領の訪問は社会的分断を招く」と激しく批判したが、アルバニージー首相は「グリーンズは緊張を高めるのではなく、緊張を和らげる一翼を担う必要がある」と強調した。

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