韓国の歴代大統領が自殺、懲役17年、懲役22年…なぜ“その後”が悲惨? 背景に「法を作ってでも処罰すべき」という国民感情?

一昨年12月の非常戒厳宣布を巡り、内乱罪に問われた尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に対し、死刑が求刑されたが、実は歴代の韓国大統領の“捜査事案”は少なくない。判決を控える中、なぜ韓国の歴代大統領の“その後”が悲惨なのか、神戸大学大学院の木村幹教授に聞いた。 木村教授は、尹前大統領の事件を過去の汚職事件などと混同すべきではないと強調する。「最大のポイントは、軍隊などの力を使って憲法機関である国会を封鎖しにいったことだ」と指摘した。国会は戒厳令を解除する権限を持つため、そこを止めようとした行為は「明らかに国会に対する反逆であり、内乱罪に当たる」と述べた。 歴代大統領が次々と起訴される背景について、木村教授は時代ごとに要因を切り分ける必要があると説く。「1987年の民主化以前と以降では状況が全く違う」とし、1979年の朴正煕(パク・チョンヒ)氏の暗殺は独裁政権下の内部分裂によるものであり、近年の事案とは性質が異なると説明した。 民主化以降の大統領についても盧武鉉氏は退任後、親族・側近の収賄疑惑で検察捜査を受けた後に自殺。李明博氏は退任後、収賄・横領・国家情報院の違法活動などで逮捕され懲役17年確定(後に特赦保釈)、朴槿恵氏は在任中、親友による国政介入事件で弾劾・罷免、収賄・職権濫用などで逮捕され懲役22年が確定(後に特赦保釈)となっている。 木村教授は原因について「大統領の行政的・財政的な権限があまりに大きく、周囲を腐敗させる構造がある」と語る。大統領自身だけでなく家族や友人が利権に関与してしまうのは、「何でも変えられる権限があることに加え、親しい人に頼まれた際にNOと言えない韓国社会の特殊性」も影響しているのではと分析した。 韓国国民の処罰感情についても、木村教授は日本との違いを指摘した。「韓国では『ずるい』こと、特に特権を利用して得をすることへの忌避感が非常に強い。法律がなければ作り、解釈を変えてでも処罰すべきだという考えが民主主義だと捉えられている」と述べた。 木村教授は、一連の事態を「韓国が冷戦期から引き継いだ制度の欠陥が、民主化の過程でうまく処理できなかった現れだ」と総括。厳しい判決が積み重なる現状を、「何も変わらない日本と比べれば、判決を通じてルールが厳格に出来上がっていくプロセスでもある」と締めくくった。 (ABEMA/ニュース企画)

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