【AFP=時事】イタリアのジョルジャ・メローニ首相は19日、フランスで起きた極右活動家撲殺事件に関する自身の発言をフランスのエマニュエル・マクロン大統領がフランスへの内政干渉だと非難したことについて、誤解だと否定した。 カンタン・デランクさん(23)は12日に南東部リヨンの大学で行われた極左政治家の演説に対する極右の抗議活動の傍らで少なくとも6人から襲撃され、重度の脳損傷を負い、その後死亡した。この事件で逮捕された容疑者のほとんどは、極左運動の関係者だと報じられている。 事件を受け、3月の地方選と2027年の大統領選を前に、フランスでは極右と極左の緊張がさらに高まっている。2027年大統領選では、RNの候補者が勝利する公算が大きいと見られている。 メローニ氏は18日、デランクさん殺害事件は「私たちに衝撃を与え、深い悲しみをもたらしている」と述べた。 さらに、「左翼過激派とつながりのあるグループに襲撃され、複数の国に広がるイデオロギー的憎悪の風潮に圧倒された20歳を少し超えたばかりの少年の死は、欧州全体の傷だ」と付け加えた。 これに対しマクロン氏は、「自国のことに集中すべきだ」「国内で誰にも邪魔されたくないナショナリストは、常に他国の出来事に真っ先にコメントする」と述べた。 マクロン氏の反発を受けてメローニ氏はイタリアのニュース専門の放送局「SkyTg24」のインタビューで、「マクロン大統領に干渉と受け止められたことは残念だ」「明らかに誰もが関心を持つ問題にフランス国民との連帯を表明することで介入することは、内政干渉ではない。マクロン氏がこの点を理解していなかったのは残念だ」と述べた。 ■極左過激派の歴史 メローニ氏はインタビューで、「私は個人的に好ましくないと感じる風潮を目にしている。それはイタリアでも、フランスでも、そして米国でも見られる」と述べた。 さらに、イタリアで極左過激組織「赤い旅団」が攻撃を繰り返していた1969~1980年の「鉛の時代」に言及した。赤い旅団の複数の元メンバーがフランスに逃亡しており、彼らの運命は両国間の争点となっている。 メローニ氏は、「支配階級は、数十年前の過去へと逆戻りしかねないこの状況にどう対処すべきかを熟考しなければならない。この歴史はイタリアも、赤い旅団の精鋭部隊に政治亡命を認めたフランスもよく知っている」と述べた。 メローニ氏は、フランスとの以前の口論にも言及。 「指導者が政府の長に選出された時、外国が『われわれは法の支配の適用を監視する』と口出しするのは、内政干渉だ」と述べた。 2022年のイタリア総選挙で、メローニ氏が率いるファシズム運動に起原を持つ政党「イタリアの同胞」が勝利した後、当時のフランスのローレンス・ブーン欧州相は、フランスは「価値観と法の支配の尊重に細心の注意を払う」と述べた。これに対し当時のメローニ氏は「主権国家に対する内政干渉であり、要員できない脅威だ」と強く非難した。【翻訳編集】 AFPBB News