トヨタ自動車グループ「愛知製鋼」の営業秘密を漏えいしたとする不正競争防止法違反罪に問われ、無罪が確定した同社元専務本蔵義信さんが、社側の不当な刑事告訴で経営するベンチャーの事業計画が頓挫したとして、同社などに計約120億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、名古屋地裁であった。 貝阿弥亮裁判長は告訴の違法性を認めず、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。 原告代理人の井上健人弁護士によると、判決は技術に通じた同社社員の意見を踏まえて、告訴段階では「営業秘密を開示したと疑うに足る相当な事情があった」と判断。検察が「十分な証拠がある」として起訴した点なども考慮したという。 本蔵さんは判決後に記者会見し、「刑事裁判で『公開情報にすぎない』との結論が出ているにもかかわらず、過失を認めない判決は納得がいかない」と話した。 本蔵さんは磁気センサー関連技術を他社に漏らしたとして、2017年に逮捕、起訴された。同地裁は22年3月、一般化された情報だとして無罪を言い渡し、確定した。 愛知製鋼の話 適切な法的手続きを行っており、当社の見解が認められたと受け止めている。