本誌が発売される時期は衆院選の最終局面だが、1月10日に読売新聞が「首相、衆院解散検討」とスクープしたのは記憶に新しい。1面トップの大きな扱いだから自信を持って報道したのは間違いないが、昨年7月、「石破首相退陣へ」と報じて結果的に誤報となった経緯があったから、今回は大丈夫なのかという意見を含め業界は騒然となった。その後の経緯は報道の通りで、読売新聞は名誉挽回を果たした結果となった。 さて、その選挙報道をめぐって読売新聞は昨年、メディア各社が協力してファクトチェックを行うことを日本新聞協会に提案した。結果的に応じたのは佐賀新聞社、時事通信社、日本テレビで、読売新聞を含めて4社が共同でファクトチェックを行うという新しい試みがなされた。その経緯を松永宏朗編集局次長に聞いた。 「一昨年の兵庫県知事選で、真偽不明の情報が色々出て選挙に大きな影響を与えました。またマスコミ各社に対して根拠のよくわからない情報をもとにした攻撃があって、これは何とかしなきゃいけないんじゃないかという危機感を抱いたのです。日本新聞協会としてファクトチェックをやりませんかという提案をしたところ、加盟社の間で真摯(しんし)に議論いただいたのですが、実際にやるとなると作業も大変なので、新聞協会としてはファクトチェックの結果をXの公式アカウントで周知させるといった協力ならできるということになったのです。そこで、とりあえず有志でやってみようということになり、昨年の東京都議選と参院選について4社で行うことになったのです」 具体的にはどんなことが行われたのか。 「まず4社の間で、問題と思われる言説を提案してもらい、4社が合意したらファクトチェックを行うことにしました。実際の作業はできる会社が行うのですが、その結果を4社で協議して『誤り』とか『不正確』といった5段階の判定をつけました。作業は、日本ファクトチェックセンター(JFC)のアドバイスを受けながら進めました。 結果の公表については、読売新聞のように紙面で報道したところもあるし、各社の判断でそれぞれが持つ媒体で紹介しました。新聞協会のXに載せてもらうといったやり方でも周知しました」 読売新聞は、都議選に関する報道について「開票前から当確はおかしい」「不正があるとしか思えない」といった言説に対して6月27日の紙面で「誤り」と判定し、出口調査の仕組みなどを解説。また参院選公示後にXで拡散されていた「生活保護は日本人が対象で外国人に支給するのは憲法違反」という言説に対して7月16日の紙面で「不正確」という判定をし、報道した。今回の衆院選についても「当然、取り組みます」と、松永局次長は語っていた。