新たな検問所設置、インターネット遮断…自由奪われるイラン国民

米国やイスラエルとの戦闘が続く中、イラン当局は国民のインターネットアクセスを遮断し、街中に新たな拠点を設置するなど治安体制を強化している。 ◇「カラフルな服着られない」 イランでは昨年12月から1月にかけて大規模なデモが発生。治安部隊との衝突で少なくとも数千人が死亡した。当局は戦時下で新たな反政府デモが起こることを警戒し、監視の目を光らせているとみられる。 英BBCは市民の証言として、首都テヘランに新しい検問所が設置されたと伝えた。 今回の戦闘で道路にある検問所が無人機攻撃の標的になったことから、歩道橋の下やトンネル内などに新たな施設が設けられたという。20代女性はBBCの取材に「いつもはカラフルな服を着ているが、今は(治安部隊の)パトロールが怖くて着られない。彼らをいらつかせてしまう不安がある」と語った。 戦闘が始まって以降、当局は体制擁護のための集会を開き、住民に参加するよう呼びかけている。夜になると、拡声器から体制支持の歌やスローガンが流れ、イランの国旗を掲げた人々が街を行進しているという。 ◇情報源の中心は国営テレビやラジオ また、各国のインターネットの接続状況を監視している民間団体「ネットブロックス」によると、イラン国内では2週間以上にわたってインターネットが遮断されている。 米衛星通信サービス「スターリンク」などを通じ、ネットにアクセスしている住民もいるが、多くの人々は国営テレビやラジオを情報源にするしかないという。 スターリンクの利用は国内で禁じられており、イランメディアは12日、スターリンクの関連商品を販売した容疑で37歳の男性が逮捕されたと報じた。当局がスターリンクのアンテナを探しているとの報道もある。 国営メディアは、米イスラエルへの報復や体制への忠誠を促す内容を中心に報じ、自国の軍事・政府施設の被害についてほとんど触れていない。こうした厳しい情報統制下で、体制に不満を持つ住民が抗議運動を組織することは困難とみられ、現時点で大規模な反政府デモは確認されていない。【古川幸奈】

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