依存 ふくしまの現場から 購買欲 抑え切れず 借金、窃盗「狂っていた」

「これ以上、買ってはいけない」。頭の中では分かっていた。 いわき市の30代男性、花守涼さんは買い物依存症を患い、生活が破綻。窃盗を犯した過去がある。今でこそ、衝動は落ち着いているが「あの時は本当に狂っていた」。 2歳の時、父親が他界した。母親は精神的に不安定で、虫の居所が悪ければ理由なく怒られた。物心がついた頃、周りの友人たちと同じようにテレビゲームや魚釣りに熱中した。だが、そうした好きなもののほとんどに、母親から難癖を付けられ、煙たがられた。自分の存在そのものを否定されたようにも感じた。 母親の職場の愚痴、親戚への恨みつらみを聞かされて育った。いつしか、人を信用できなくなり、恐怖心さえ芽生えた。常に大人の顔色をうかがうようになっていた。 小学生時代、欲しい物は山ほどあった。テレビゲームの新しいカセット、釣りざお、ルアー。母親にねだることが怖くて、それはできなかった。祖母の財布から、こっそりと紙幣を抜き取っては買いあさるようになった。欲しいものを手に入れた時の高揚感が忘れられず、現実から逃れる唯一の手段となった。高校生になっても続いた。

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