スーパー・マイクロ・コンピューターの株価が、米国時間3月20日の市場前取引で25%超下落した。米国当局が共同創業者のイー・シャン・リャオを逮捕し、リャオら3人が数十億ドル相当のAIチップを中国へ密輸する共謀をしたと主張しているためだ。 スーパーマイクロの株価は市場前取引で25.3%下落し、約23ドルとなった。これは2024年10月(32%下落)以来、同社にとって最大の1日あたりの下落幅となる見通しだ。 ■禁輸対象の半導体を東南アジア企業を通じて販売、第三者ブローカーを介して中国へ転送 司法省が3月19日に発表したところによれば、事業開発担当シニアバイスプレジデントのリャオ、スーパーマイクロの台湾拠点に勤務するマネージャーのルイ・ツァン・チャン、外部請負業者のティン・ウェイ・スンの3人は、それぞれ米国の輸出管理法違反1件、米国からの物品密輸の共謀1件、米国を欺く共謀1件で起訴された。 検察は申し立てで、リャオ、チャン、スンが、禁輸対象となっているエヌビディア製AIチップを東南アジアの企業(「Company-1」と特定)を通じて販売し、その後第三者ブローカーを介して中国へ転送することで米国の輸出規制に違反したと主張している。 検察によれば、これらの密輸活動により、2024年以降スーパーマイクロには約25億ドルの売上がもたらされたという。 被告として名指しされていないスーパーマイクロは声明で、リャオとチャンを職務停止処分とし、請負業者との関係を終了したと述べた。 1993年に同社を共同創業したリャオは、ファクトセットによれば、スーパーマイクロ株を約4億6400万ドル分保有している。 3月19日の株価時点におけるスーパーマイクロの時価総額は、184億ドルだ。ただし3月20日の下落により約47億ドルが失われ、同社の時価総額は約137億ドルに低下する見通しだ。 ■エヌビディアの高性能GPUへの需要 生成AIモデルの学習で競争する企業が増えるにつれ、エヌビディアの高性能GPUへの需要は急増している。米国は2022年にエヌビディア製品の対中出荷を初めて制限した。ドナルド・トランプ大統領は当初、中国がエヌビディアのチップを入手することをさらに阻止する意向を示していたが、その後通商政策を緩和した。 トランプは12月、エヌビディアで2番目に高性能なチップであるH200の中国向け輸出を許可すると述べ、この規制緩和はAMD、インテル、および「その他の偉大な米国企業」にも適用されると発表した。通商政策を後退させる一方で、トランプは、規制を実施したバイデン政権が企業に「誰も欲しがらない『性能を落とした』製品の開発に数十億ドルを費やさせた」と主張した。米国はこれらの先端チップの販売から25%の取り分を得るとトランプは述べた。