観光客や帰省客が増える大型連休に合わせて環境省などは1日、鹿児島県奄美市名瀬の奄美空港で希少動植物の盗掘・盗採防止に向けた啓発活動を行った。奄美大島に到着した人たちにチラシやパンフレットを配布し、動植物の捕獲や採取に関わる規制やルールを周知した。 奄美大島と徳之島では、種の保存法や県条例などで指定する希少種や天然記念物の持ち出しを禁止しているほか、国立公園の特別保護地区や特別地域での捕獲・採取行為にも規制を設けている。 昨年5月には、国の天然記念物に指定されているオカヤドカリ数千匹計160キロを無許可で所持し、持ち出そうとしたとして、文化財保護法違反の疑いで中国籍の男3人が逮捕される事案が発生。奄美空港では島外への出発客が野生生物を持ち込んだ際、捕獲や採取が禁止されている種でないかを確認し、法令違反の場合は警察に通報する。 この日は環境省や林野庁、奄美大島自然保護協議会(奄美大島5市町村)、県大島支庁の職員など10人が到着ロビーでチラシを配布。奄美群島国立公園の保護区域や法令による保護対象種、昆虫採集のルールやマナーについて観光客らへ普及啓発した。 同省の広野行男国立公園管理事務所所長によると、昨年度は奄美市笠利町の国立公園内に昆虫用のトラップが設置されているなど法令に違反する事案があり、島の生物多様性への影響が懸念されている。 広野所長は「固有種や希少種だけではなく、普通種も生態系を構成する重要な種。特に多量に持ち出すことは生態系の劣化につながるため、希少動植物の盗掘・盗採防止や普通種採取の自粛を呼び掛けることは重要と考えている」と話した。