フィリピンの薬物犯罪対策「麻薬戦争」を巡り、国際刑事裁判所(ICC、赤根智子所長)は11日、ドゥテルテ前大統領の側近で、元国家警察長官のデラロサ上院議員に対する逮捕状を公開した。 ICCによると、逮捕状は昨年11月、非公開で発行された。デラロサ氏は国家警察長官を務めた2016年7月から18年4月までの間、警察関係者や殺し屋を使い、少なくとも32人を殺害したとして人道に対する罪の疑いが持たれている。 逮捕状では、デラロサ氏がドゥテルテ氏と共に、麻薬への関与などが疑われる人物を「無力化する」という「共通計画」に関与していたと指摘。「無力化」は殺害を意味し、デラロサ氏が警察内で正当防衛に見せかけるよう促したり、実行犯に免責を約束したりし、組織的に超法規的殺人を進めていたとしている。 地元メディアによると、比当局による拘束が間近との情報もあり、デラロサ氏は11日、SNSの配信で「彼らは私をハーグ(ICC)へ連れて行こうとしている」と述べ、支持を訴えた。 ICCは4月下旬、ドゥテルテ氏を人道に対する罪で起訴しており、今後、公判が開かれる予定だ。一方、逮捕状が公開された11日には下院で、長女サラ・ドゥテルテ副大統領に対する2度目の弾劾訴追案も可決され、ドゥテルテ一族への圧力が強まっている。【バンコク国本愛】