グループBTS(防弾少年団)のメンバーであるJUNG KOOK(ジョングク)や、大企業の会長など韓国資産家の個人情報を盗用して資産380億ウォン(約40億円)を盗み出したハッキング組織の、残る主犯格1人が13日、韓国に送還された。主犯格の国籍は中国だ。また別の主犯格(中国人)1人は昨年8月に送還されて現在裁判を受けている。 韓国法務部は、海外ハッキング犯罪組織の主犯格である中国人のA(40)を同日午前、タイ・バンコクから仁川(インチョン)国際空港に送還したと発表した。Aは警察の留置場に拘禁された。今後、被疑者としての取り調べが予定されている。 Aは、韓国の政府・公共機関などウェブサイト6カ所をハッキングして取得した個人情報で株式・暗号資産口座を盗んだ海外ハッキング組織の主犯格2人のうちの1人だ。大学の先輩・後輩の間柄である中国人のチョン容疑者(35)と中国、タイなどを拠点にハッキング犯罪団体を組織し、2023年7月から昨年4月まで韓国のサイトをハッキングしていたことが把握された。 このようにして盗み出された個人情報は258人分に上る。流出した情報は住民登録番号、金融・認証情報などだ。被害者の中には実業家、法律家、芸能人、スポーツ選手などが含まれていた。ハッキング犯は、この中からまず資産が多い資産家を絞り込んだ。その後、収監中か軍入隊などの理由で犯罪被害に即座に対応するのが難しいターゲットを2次的に選別した。 グループは格安スマホの盲点を利用し、個人情報で金銭的利益まで得ていた。格安スマホは非対面での開通が可能だ。グループは被害者89人の名義で携帯電話のUSIMを開通し、その携帯電話で本人認証を行って、被害者16人の口座から株式や暗号資産を盗み出した。 グループはまた、別の被害者10人から250億ウォンを騙し取ろうとした。しかし、金融機関が遮断したため未遂に終わった。BTS(防弾少年団)のジョングクも個人情報が流出し、84億ウォン相当のHYBE(ハイブ)株を奪われそうになったが、金融機関が異常な取引を検知し、所属事務所が支払いを停止したため、実際の被害には至らなかった。 警察は被害届を受理し、インターポール(国際刑事警察機構)と協力してハッキング犯罪組織のメンバー16人を順次検挙した。続いて、Aとチョン容疑者の2人の主犯格を昨年5月にタイで検挙した。チョン容疑者は現行犯で逮捕され、昨年8月に韓国へ送還された。チョン容疑者は情報通信網法、特定経済犯罪処罰法違反(詐欺)など11の容疑で勾留され、裁判を受けている。 Aは検挙当時、現行犯ではなかった。司法手続き上、その場での逮捕はできなかったため、法務部は緊急引渡拘束を請求し、タイ側がこれに対応した。緊急引渡拘束は、海外に逃亡した犯罪者を送還する前に、逃亡の恐れをなくすため現地当局に身柄の確保を要請する制度だ。Aは犯罪人引渡裁判の手続きを経て、タイ当局の承認を受け、この日韓国に送還された。 法務部の関係者は「これで追加の送還が必要な共犯者はいなくなった」とし、「今後もハッキングやオンライン詐欺などの国際犯罪に厳正に対応していく」と述べた。