磐越自動車道で21人が死傷したバス事故から、13日で1週間です。 事故当日のバスの様子や、事故を起こす以前の容疑者の危ない運転の数々が明らかになってきています。 磐越自動車道で起きた21人が死傷したバス事故から1週間。現場を取材すると、すでに補修工事が終わり、バスが衝突していたガードレールなどは事故前の姿に戻っていました。 ただ、あの日見た惨状を、いまも鮮明に覚えていると言います。 ■事故直後の現場を見た人「すごい音がした。あら、これは何か大変だわって思って」 「もう倒れてて、横になっていた。」 「今でもあの時の思いは頭に…」 「早いよね。一週間ね。」 事故が起きたのは先週6日。郡山市の磐越道で、部活動の遠征で富岡町に向かっていたマイクロバスがガードレールなどに衝突。 新潟県北越高校の男子ソフトテニス部に所属する稲垣尋斗さん(17)が死亡。ほかにも生徒など20人が重軽傷を負いました。 この事故で逮捕されたのは、バスを運転していた新潟県の無職、若山哲夫容疑者(68)。 捜査関係者などへの取材で見えきたのは、若山容疑者の異常とも言える“危ない運転”の数々です。事故当日、新潟市にある防犯カメラの映像には、対向車線に大きくはみ出して走行するマイクロバスが映っていました。北越高校の生徒を乗せる前で、若山容疑者が運転していたとみられます。 そして、午前5時半すぎ。男子ソフトテニス部の部員20人を乗せ、マイクロバスは福島県へ出発しました。 北越高校の会見では、若山容疑者が事故の直前にも危険な運転を繰り返していたことが明らかに。 ■北越高校 寺尾宏治顧問「事故を起こす前もトンネルにぶつかってこすっていた。休憩した時に車の片側がぶつかって」 捜査関係者によりますと、身の危険を感じた生徒はバスが走行する様子を撮影し、その動画と一緒に「死ぬかも」という趣旨のメッセージを保護者に送っていたといいます。動画は複数あり、バスが車線をはみ出して走行する様子や、事故現場のすぐ手前でカーブを曲がらずに路肩方向へ直進する様子などが映っていたことも新たにわかりました。 ただ、警察の調べに対し、若山容疑者は— 「体調と運転技術に不安はない」 「スピードを出しすぎてぶつかった」 若山容疑者は先月から少なくとも5回事故を起こしていて、警察は若山容疑者の健康状態や運転技術に問題がなかったかも含めて、捜査を進めています。 普通車とは大きく異なるバスの運転。取材したのは、観光や部活動の送迎などを行うバス会社です。今回の事故とほぼ同じ大きさのマイクロバスに、特別に運転席へ座らせてもらうと— ■井上朔実記者「目線が高いですね」 ■福島県北交通 三浦清寿社長「幅もそうですし長さも長いですし、目線も高いので普通車よりは死角も多くなるのかな」 ■井上朔実記者「このバスに乗ってみると、どこまで動かせば後ろがこすれずに行けるのかという感覚がちょっと掴みにくい感じがする」 こちらのバス会社では、出発前に運転手のアルコールチェックをカメラで記録し、体調に問題ないかを確認しています。さらに、車の内外に複数のカメラを装備し、運転状況を事務所のモニターでリアルタイムに確認できるようにしています。 ■福島県北交通 三浦清寿社長「走行中は事務所の中で(バスが)どこを走行しているかリアルタイムでドライバーの画像を見れるようになっている」 バス会社によると、今回の事故のケースと同様、レンタカーなどの手配を依頼されることもありますが、すべて断っていると言います。 ■福島県北交通 三浦清寿社長「レンタカーは手配していないとお断りしてる」 「価格が安いほうが助かるとは思うが」 「安心面ではやっぱり青ナンバー、貸し切りバスを利用してもらった方がいい」 マイクロバスのレンタカーは1日あたり数万円、運転手付きの貸切運行は10数万円ほど。金銭的な理由で安全が軽視されないよう、行政による支援の必要性を訴えます。 ■福島県北交通 三浦清寿社長「遠征のバス代とかの費用は若干、行政の補助金があってもいいのかなと思いますね」 「今回の事故は二度と起こって欲しくないので、」 「安全面を優先してバスの方をご利用いただけたらと思います」 県警は今回の事故を受けて、レンタカーやバス、タクシー事業者に向けて文書を出し、交通事故防止対策の徹底を改めて呼びかけています。