日本郵便事件、贈賄容疑の業者が狙った「取集業務」とは

郵便ポストに投函(とうかん)した手紙やはがきを回収する業務は「取集業務」と呼ばれ、郵便物を全国へ届ける流れの入り口だ。この業務の入札をめぐり、特定の運送業者に便宜を図り賄賂を受け取ったとして、日本郵便の元社員が20日逮捕された。 こうした業務は郵便局員が担っていると思いきや、郵便物の取扱量が多い都市部などでは外部の運送業者に委託することも少なくないという。 日本郵便の資料によると、全国に設置されている郵便ポストは約17万3千本(2025年3月末時点)。23年3月末時点で、人口密度の高い政令指定都市や特別区では、1自治体あたりのポストは平均177本(過疎地も含めると全国平均92本)で、1本あたりの世帯数は平均1308戸(同341戸)という。 郵便法では、郵便物は、差し出した日から4日以内に送達することが定められている。そのため、取集は原則毎日実施することになっている。取扱量が少ない地域では、配達担当者が配達の途中で取り集める。 ■取集業務の委託は35% 量の多い都市部などでは、専任の郵便局員が取り集めるが、協力会社に委託したりすることもある。委託の割合は35%に上るという。複数の地域を束ねた業務委託では、委託契約額の規模は数千万から億円単位に及ぶこともある。 日本郵便の元社員が逮捕された事件では、都内の4郵便局分の取集業務に関する随意契約が結ばれ、受注額は1年間で計約1億8千万円だった。当初の予定価格の倍以上になったとされる。 日本郵便は20日、元社員の逮捕を受け、説明の場を設けた。社内調査では、同様の不正行為をしたとして、逮捕された元社員の前任者を懲戒解雇にしたことを明らかにした。 入札の仕組みは社内で共通しており、日本郵便は今後、全社で調査をしていくという。 日本郵便東京支社経営管理本部の松沢美貴彦副本部長は「社会的、公共的役割を担い、信用を第一としているなか、今回の事態を真摯に受け止める」と謝罪した。(西岡矩毅)

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