23歳女性が死亡の事故 過失運転致死容疑で逮捕の男を危険運転致死で起訴 遺族「まだ受け止めきれない」

5月に仙台市宮城野区で、23歳の看護師が死亡した車同士の事故について、仙台地方検察庁は6月18日、過失運転致死容疑で逮捕されたワゴン車運転の男を、危険運転致死の罪に切り替えて起訴しました。 遺族は捜査に感謝を示した上で「事故を受け止めきれずにいる」と苦しい胸の内を明かしました。 記者リポート 「宮城野区中野の事故現場です。交差点の一角には花や飲み物が供えられています」 5月29日午前5時20分ごろ、仙台市宮城野区中野の国道45号線で、ワゴン車と乗用車が衝突し、乗用車を運転していた盛岡市の看護師・山本結香さん(23)が重症頭部外傷で死亡しました。 現場は、変則の十字路交差点。亡くなった山本さんは、青信号を右折しようとしていたところ、赤信号を無視してきたワゴン車と衝突したということです。 この事故で、警察は、ワゴン車を運転していた塩釜市に住む会社員・角田潮音容疑者(31)を、「過失運転致死」の疑いで逮捕していましたが、仙台地検は、その後の捜査を踏まえ、6月18日、「危険運転致死」の罪に切り替えて起訴しました。 法定刑の上限が拘禁刑7年の「過失運転致死傷罪」と、20年の「危険運転致死傷罪」。危険運転の認定には高いハードルがありました。 大分市で2021年に発生した時速194キロ死亡事故では、当時19歳の男が「危険運転致死」容疑で書類送検されたものの、起訴時は「過失運転致死」に切り替えられました。この事故は裁判でも、一審と二審で危険運転認定の判断が割れ、福岡高検が最高裁に上告しています。 こうした「危険運転」立証のハードルについて、元検事の上原幹男弁護士は。 元検事 上原幹男弁護士 「法律の書き方が『その進行を制御することが困難な高速度』となっている。これに当てはまるかという問題になる。一般的に例えば一般道を時速100キロで走っていたら、それは危ないよねという感覚はあると思うんですけども、その危ないよねっていう感覚と、その法律の考え方では少しズレがあるというふうに認識しています」 大幅な速度超過などがあっても、過失運転致死傷にとどまるケースが全国で相次ぎ、疑問の声が多く上がった中、一定の速度超過があれば、一律に危険運転致死傷罪を適用する数値基準を盛り込んだ「自動車運転処罰法」の改正案が審議されています。 危険運転致死罪に切り替えて起訴された、今回の宮城野区の事故。起訴状によりますと角田被告は、赤信号を“ことさらに”無視し、時速114キロから136キロで直進したとされています。 捜査関係者によりますと、信号無視と重大事故につながる可能性がある危険速度の走行の2つの構成要件が、ドライブレコーダーなどから立証できると判断したということです。 また、角田被告は、「自宅に忘れ物を取りに行くために急いでいた」などと供述しているということです。 一方この事故で、一人娘の山本さんを亡くした両親は仙台放送の取材に対し、 「きちんと捜査していただき、危険運転致死罪での裁判が始まることはとても感謝しています。ただ、まだ家族は事故の事実を受け止めきれずにいます。裁判で事実が分かっていくと思いますので、見守っていきたい」 と話しました。 山本さんは、23歳でした。危険運転は、事故当事者や関係者が思い描いていた未来を、奪います。 県警によりますと、6月17日時点で、今年、県内で交通事故で亡くなった人は21人と、去年の同じ時期よりも6人増えています。

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