“父は絶対やっていない”信じて闘った日野町事件 検察が再審で『有罪主張しない』方針 息子の弘次さん「ホッとしました。ありがたかった」

裁判のやり直しが決まった42年前の強盗殺人事件。検察は有罪と主張しない方針です。 (阪原弘次さん)「(父が)『お前らだけは信用してくれ』と泣きながら訴えていたあの夜のことを我々家族は決して忘れません」 父の無念を晴らす戦いを40年近く続けている阪原弘次さん。 1984年、滋賀県日野町で酒店を経営していた女性(当時69)が行方不明に。女性は遺体で見つかり、店にあった手提げ金庫が山林にあったことから、警察は強盗殺人事件として捜査を始めました。 発生から3年以上経ち、警察は常連客だった弘次さんの父・弘さんを強盗殺人容疑で逮捕し、2000年、無期懲役の判決が確定しました。 裁判で「虚偽の自白をさせられた」と一貫して無罪を主張していた弘さんは、再審=裁判のやり直しを求めましたが、2011年に病死し再審請求の審理は打ち切られます。 しかし、家族が再び再審を求め、事態が大きく動きます。 2018年、大津地裁が裁判のやり直しを認める決定を下しました。 再審開始を決めた大きな要素が、弘さんが自白通りに現場を案内できるか確かめる捜査で、警察が撮った写真の「ネガフィルム」。 弁護団が調べた結果、弘さんが金庫発見現場を案内できたとする調書の写真19枚のうち8枚が帰りに行きの“フリ”をして撮影されたものだったといいます。 今年2月、最高裁が検察の2度にわたる不服申し立てを退け、裁判のやり直しが決まりました。 女性が営んでいた酒店は、今も当時の面影のまま残っています。 (阪原弘次さん) 「小さい頃から父の酒を買いによく来ていました」 「あんたのお父ちゃんはほんまに良い人やから大事にしたってなってことは(殺害された女性から)何度か言葉として掛けていただきました」 “父は絶対にやっていない”と信じて戦い続けてきた弘次さん。再審請求をする中で、警察や検察の落ち度が明らかになったことで、やり直しの裁判に「自信を持って臨みたい」と話します。 (阪原弘次さん) 「全てにおいて、父が犯人でないということを暴露したようなものですよね」 「検察が『有罪立証しますよ』と言ってきたところで我々は全然怖くないです」 そして19日、裁判所・検察・弁護団による三者協議が行われました。 約30分で協議は終わり、結果は… (阪原弘次さん)「検察官が有罪立証しないということで、ホッといたしました。あまりにも嬉しくて隣にいる長女(弘次さんの妹)と握手しました」 検察は「一切の記録を改めて慎重に精査・検討した結果、有罪の主張は行わない」と伝えたということです。 (阪原弘次さん)「『有罪立証をしたところで全然めげませんよ』と申し上げていましたけど、『もし有罪立証されたらどうしよう』という気持ちもやはりありまして、今回、三者協議で有罪立証しないということを表明してくれたので、もうホッとしました。ありがたかった」 大津地検は「阪原氏が再審請求の途中で亡くなられ再審まで長い時間を要したことを重く受け止めている」とコメントしています。 一方、「積極的に無罪の主張をするわけではない。裁判所にしかるべき判断を求める」としています。

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