滋賀県東近江市の湖東記念病院の入院患者死亡を巡り、再審無罪となった元看護助手の西山美香さん(46)=滋賀県彦根市=が検察官の責任を訴えて国に賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は25日、西山さん側の控訴を棄却した。長谷部幸弥裁判長は「国の違法行為は認められない」と述べた。西山さん側は上告する方針。 西山さんは県警と大津地検の捜査や起訴が違法だったとして、県と国に計約5500万円の賠償を求めて提訴。1審・大津地裁判決(2025年7月)は県警による不当な供述誘導や捜査資料の未送致を認定し、県に約3100万円の支払いを命じ、県は控訴しなかった。 一方、地裁が国への請求を棄却したため、控訴審では国に対する約2300万円の請求が争われていた。 高裁は、警察が行った捜査で、検察官が果たす役割は「助言と相談」にとどまるとし、今回の入院患者死亡の捜査も県警の判断と責任で行われていたとした。 さらに入院患者死亡を担当した大津地検の検察官は西山さんの逮捕を主張した県警の意向をすぐには了解せず、自白の裏付けを助言していたとし、「全般的な姿勢としては、県警の方針をうのみにするものではなかった」と認めた。 西山さんは相手に迎合しやすい「供述弱者」の特性があり、恋愛感情を抱いていた警察官に虚偽自白を誘導されたとされる。高裁は、西山さんが恋愛感情を利用されて虚偽自白していたことを、検察官が推察できたとは認められないと認定。大津地検が県警の捜査を是正しなかったことや西山さんを起訴したことに、違法性はなかったと結論付けた。 西山さんは03年に入院中の男性患者を殺害したとされたが、20年に再審無罪判決を受けた。【斉藤朋恵】