ベネズエラ地震、住民が倒壊した建物を素手で捜索 政府の重機はガス欠で動かず

(CNN) ベネズエラのラグアイラ市では、住民たちが引き続き倒壊した建物の瓦礫(がれき)をかき分け続けていた。そうした中、政府の掘削機は、コンクリートと曲がった鉄筋の山の横で動かないまま止まっていた。 2度の大地震によってこの沿岸都市の大部分が破壊されてから、ほぼ1週間が経つが、やるべき作業はまだ山積みだ。重機は災害後の復旧に欠かせないが、CNNが掘削機のオペレーターになぜ動かしていないのか尋ねると、「入れるガソリンがない」との答えが返ってきた。 ベネズエラにおける石油の確認埋蔵量は世界最大とされる。しかし、この100年以上で最悪級の地震が発生して以降、市民の多くは友人や家族を瓦礫の下から素手で掘り出さざるを得なくなっている。理由は燃料の不足だ。こうした切迫した状況の中、ベネズエラ政府の危機対応には批判が高まっている。 「人々は憤っている」と、コンサルティング会社DataStrategiaの代表で政治アナリストのカルメン・ベアトリス・フェルナンデス氏は語った。「我々が目にしているのは、この悲劇が別の悲劇を映し出しているということだ。国家の能力が抑圧とプロパガンダのみに注ぎ込まれているという悲劇を。国民の基本的なニーズを満たす国家の能力は解体されてしまった」 さらに追い打ちをかけるように、「瓦礫の中で見つかった貴重品を横領していた」ことが判明したとして、4人の当局者が逮捕された。 6月30日の声明で内務司法警察(CICPC) は、この4人を職務から解任し、司法当局へ送致したと発表した。 一方、野党指導者のマリア・コリナ・マチャド氏は、この危機を受けて米国での亡命生活を終え、ベネズエラへ帰国する決意を固めたと発言。FOXニュースに対し、自身とベネズエラ国民は「共にいなければならない」と語った。 政府は、「当初の混乱」にもかかわらず地震への対応を擁護。与党の有力議員ホルヘ・ロドリゲス氏は、「定められた優先順位に従ってボランティアを配置する」新たな取り組みをアピールした。カベージョ内相も、発災直後から国民に政府を信頼するよう呼びかけていた。 追加の支援は、国内でも特に被害の大きいラグアイラで切実に必要とされている。湿った空気に腐敗臭が漂う中、CNNは人々がつるはしやシャベルを振るって、さらには素手で、倒壊した高層マンションを壊しながら捜索を続ける様子を目撃した。 「鉄を切断するなど、特定の作業に使える新しい道具を探すのにとても時間がかかった」と、ハッセル・メンドーサさんはCNNに語った。エンジニアのメンドーサさんは、母親、姉妹、義理の兄弟、そして甥(おい)を9階建てマンションの廃墟から探すため、米フロリダ州タンパから飛んできた。到着してから2晩、地面で寝泊まりを続けているという。 メンドーサさんは、適切な機材がないため捜索は困難を極めていると明かす。隣接するアラグア州から来た民間防衛チームは、瓦礫を迅速に取り除くのに必要な機材を何一つ持っていなかったという。ドリルもセンサーもなく、政府などから寄せられた飲料水の支援は役に立ったが、それだけでは十分ではなかった。 公式の死者数は、ペースこそ緩やかになっているものの依然として増え続けている。7月1日、ロドリゲス国会議長は、少なくとも2295人が死亡したと発表。前日から約350人増加したことを明らかにした。 しかし、実際の犠牲者数ははるかに多いと考えられる。米地質調査所(USGS)は、数万人が死亡している可能性が高いと推定している。ベネズエラを担当する国連の常駐・人道問題調整官ジャンルカ・ランポッラ氏は6月29日、ベネズエラ政府と国連がさらなる死者の発生を見込み、1万枚の遺体袋を調達していると明らかにした。 CNN取材班がラグアイラ港に設けられた臨時遺体安置所の前を通ると、埠頭(ふとう)には棺(ひつぎ)の列が高く積み上がっていた。

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