東京都立川市のアパートの一室から現金約930万円などを盗んだとして、警視庁は3日、前橋市の職業不詳、石倉颯杜(はやと)容疑者(26)を住居侵入と窃盗の疑いで逮捕し、発表した。認否を明らかにしていない。 石倉容疑者は、事件前に被害者宅の住所、部屋の間取り、多額の現金の保管場所などの情報を、秘匿性の高い通信アプリで実行グループ側に伝えた「案件屋」とみられる。捜査関係者によると、都外で発生した別の侵入盗や強盗事件にも案件屋として関わった可能性があるという。 捜査3課によると、逮捕容疑は2025年12月4日午後9時10分~20分ごろ、他の人物と共謀し、立川市内のアパートの一室に侵入。現金約930万円や財布など13点(時価合計493万円相当)を盗んだというもの。 この事件では、「闇バイト」で集められたとされる指示役や実行役ら計8人がすでに逮捕されている。 ■成功すれば「大きな案件」も 石倉容疑者は事件前、指示役の男に対し、通信アプリを使い、被害者宅で現金が保管されている場所などを含む詳細な情報を「案件」として提供した疑いが持たれている。 事件後には、埼玉県内の高速道路のパーキングエリアで指示役の男と合流し、被害金約430万円とブランドバッグを受け取った可能性があるという。 捜査関係者によると、石倉容疑者は事件前、指示役に対し、今回の事件が成功すれば金塊に関係する「大きな案件」を紹介するという趣旨の内容も持ちかけたとみられるという。 今年に入って各地で相次ぐ強盗や侵入盗事件では、SNSなどを通じてメンバーが入れ替わる「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」が関わり、被害者宅に多額の現金があるとの情報や間取りなどをまとめた「案件」が指示役らに持ち込まれていた構図が共通する。 5月には、栃木県上三川町で住人女性が殺害される強盗殺人事件も発生した。警察当局は、案件屋が提供する情報が匿流に流通し、事件が相次ぐ一因になっているとみて、実態解明を進めている。(堅島敢太郎)