ドナー現れるまで15年待つことも 臓器移植の現状は?

海外で臓器移植を受ける「渡航移植」のあっせんをめぐり、男3人が臓器移植法違反の疑いで逮捕された。臓器移植にはどのようなルールがあるのか。 Q 臓器移植とは? A 病気や事故で臓器の機能が弱くなった患者に他の人の臓器を移植すること。親族など健康な提供者(ドナー)からの生体移植と、脳死や心臓が止まって亡くなった人からの移植の二つに大きく分けられる。 Q 提供できる臓器は。 A 人の体に二つある腎臓や、再生能力のある肝臓などは生体移植ができる。心臓が止まった後では腎臓、膵臓(すいぞう)、眼球が提供できる。脳死ではこれに加えて心臓、肺、肝臓、小腸も提供できる。脳死の人から提供できる臓器は臓器移植法で定められている。 Q 臓器移植法とは。 A 1997年に施行され、脳死になったドナーから臓器を移植できるようになった。2010年に改正法が施行され、ドナー本人の意思が不明の場合でも、家族の承諾があれば提供が可能になった。金銭などと引き換えに臓器を提供したり、提供を受けたりする「臓器売買」を禁じているほか、脳死や心停止後の移植について、ドナーと移植を受ける患者をあっせんする業者には国の許可が必要と定めている。 Q 国内の臓器移植の現状は。 A 脳死と心停止後を合わせた臓器提供者数は1997年以降、年60~120人台だったが、2023年に初めて140人を超え、2025年は158人になった。ただ、海外と比べるとまだ少なく、24年の人口100万人あたりの提供者数を見ると、日本は1・13人。最も多いスペインは53・93人で、2番目の米国は49・70人。韓国は7・68人、中国は4・71人だ。 生体移植は、腎臓が年1750件ほど、肝臓が350件ほど行われている。健康な人の体にメスを入れる倫理的な問題や、手術に伴うドナーのリスクもあり、あくまで例外的な医療との位置づけだが、脳死や心停止からの提供が少ないため、腎臓移植では生体移植が9割近くを占めている。 Q 移植を受けるまでの期間は。 A 日本臓器移植ネットワークによると、平均的な待機期間は、心臓は約3年半、肝臓は約1年、肺は約2年半。待機者が多い腎臓移植は約15年と長期化している。待機期間が長引くなどし、海外で移植を受ける人もいる。ただ、多くの人が移植を待っているのは他の国も同じ。2008年に国際移植学会で採択された「イスタンブール宣言」では、臓器売買や海外に渡航し、金銭を払って臓器提供を受ける「移植ツーリズム」の禁止を提言している。(土肥修一)

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